語源項目

sin-

しぬ・死

文証 上代日本語 動詞 Frellesvig-Whitman転写

死ぬ(上代日本語sin-)

資料横断で引く しぬいぬぬこるし

単語家族と見出しの単位 9件

*sina-「死」しぬ 編集

マーティン1987が疑問符付きで挙げる*sina-を中核に置き、上代日本語sin-を成員とする。sin-とin-を結ぶ別の再建とinu「去ぬ」は候補として区別する。

しぬ 死 文証
言語
上代日本語
種別
語
品詞
動詞

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National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
sin / verb / die
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l030883a
いぬ 往・去 文証
言語
上代日本語
種別
語
品詞
動詞(ナ行変格)

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National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
in / verb / depart; die
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l030186a
ぬ 文証
言語
上代日本語
種別
接辞
品詞
助動詞(ナ行変格)

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Frellesvig, Bjarke 2010 記述
n-irr is the class of irregular n-base verbs; it has only three members, the perfective auxiliary -(i)n- and two lexical verbs sin- 'die' and in- 'depart, pass'.
文献
A History of the Japanese Language 書籍
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
§3.4.2.2(p. 105)
こる 懲 文証
言語
上代日本語
種別
語
品詞
動詞(四段)

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National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
kor / verb / rebuke, scold
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l030753a
*し 息 説内
言語
上代日本語
種別
形態素
品詞
語基

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*し 為・仕 説内
言語
上代日本語
種別
形態素
品詞
語基

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*sina- 説内
言語
日琉祖語
種別
語根
品詞
語根

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*(s)in(V)- 説内
言語
日琉祖語
種別
語根
品詞
語根

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sʉn 文証
言語
ryu-minna
種別
語
品詞
動詞

ネットワークで見る

セリック・ケナン 2022; v3-u8 2026-08-21取得 記述
すん / sʉn / 死ぬ
文献
みんなふつ語彙集 データセット/日琉言宝
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexemes.csv語形ID52658、meanings.csv対応行

語形0件

語形情報はありません。

語形の状態 文証 再建 編集 説内
主張の等級 定説 通説 提案 推測 疑義

語義1件

死ぬ。

National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
die
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l030883aの語義1

諸説 7説/主張13件

日琉語族内部の比較5説

日琉諸語どうしの対応と内的再建によります

死ぬのsin-

主張4件

島袋2007の付録はこの語を扱わない。マーティンは2つの道筋を疑問符付きで並べる。 *siとin-の複合とみる切り方と、*sina-に遡らせる形である。どちらを取るかは述べない。

同定 通説

マーティンはsinuの活用を混成のもの(hybrid conjugation)とし、sini[y]-とsin-の2つの語幹を挙げる。

動詞の表の見出しの書き方による記述で、アクセント類はA*と星印つきで記される。 日本書紀のアクセント資料6箇所をいずれもAとして挙げる。

Martin, Samuel Elmo 1987 記述
A* sinu < sini[y]-/sin- (hybrid conjugation) 'die'. … A - A-A-A A-A-A. NS (80a, 107a, 109a [11:319-K], 109b [11:322-K], 131a, 134a) A. NS (T+ 81) sinamasi HL|HH. Km (W) A. Edo A.
文献
The Japanese Language through Time 書籍
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
第6章§6.6(p. 752)
切れ目 推測 共有: 死ぬのsin-と朝鮮語ci-・sin-とin-の共通語源説

同じ主張が複数の説に含まれます。等級、出典、根拠は共通します。

マーティンはsinuを*si+ini[y]-/in-の複合として切る分析を疑問符付きで挙げ、 その*si-をさらに*siy-・*so(-)Ci-「死ぬ」に遡らせる。sosu・sise[y]-「殺す」と 朝鮮語ci-「死ぬ、萎れる、過ぎ去る」を比較対象に置く。

切り方にも、その先の*si-の遡形にも疑問符が付く。 切り方の後部にあたるini[y]-/in-は、ONCOJの語彙素l030186a(語形in、 語義「depart」「die」、47例)と綴りの上で重なる。 マーティンはこの分析の中でinuを引くため、mina(research/entries/midu-water.yaml)や kabu(research/entries/kubi-neck.yaml)と異なり、出典自身が両者を結ぶ。 朝鮮語との比較は語形と語義を並べるにとどまり、音対応を示さない。

Martin, Samuel Elmo 1987 疑問
?< *si - ini[y]-/in- < *si[yi] inᵃ/₀-Ci-/ina-, with a verb *si- ?< *siy- < *so(-)Ci- 'die' (cf. sosu = sise[y]- 'kill', Korean ci- 'die, wilt; pass by/away')
文献
The Japanese Language through Time 書籍
立場
疑問(別の説に疑いを置きます)
箇所
第6章§6.6(p. 752)
再建 推測

マーティンは切り方に代わる遡形として*sina-Ci-・*sina-も疑問符付きで挙げ、 さらにその前に*zin-を置く可能性に触れてinuを比較対象とする。

疑問符付きで併記される2つ目の道筋にあたる。 その前の*zin-にも疑問符が付き、語頭の有声子音を置く根拠は項に示されない。 切り方(*si+in-)と遡形(*sina-)の2つを並べ、どちらを取るかを述べない。

Martin, Samuel Elmo 1987 疑問
?< *sinᵃ/₀-Ci-/sina- (?< *zinᵃ/₀-Ci-/zina-, cf. inu)
文献
The Japanese Language through Time 書籍
立場
疑問(別の説に疑いを置きます)
箇所
第6章§6.6(p. 752)
comparison_set 提案

日琉言宝は水納方言sʉn「死ぬ」にUniCog作業ID「死.s.v」を付し、『日琉語類別語彙』は同じ組に日本語sin-を置く。

日琉間の同源語接続をデータセットで確認できる。祖語の具体的な母音と活用類はこの接続だけでは定まらない。

セリック・ケナン 2022; v3-u8 2026-08-21取得 groups
文献
みんなふつ語彙集 データセット/日琉言宝
立場
groups(立場の定義なし)
箇所
lexemes.csv語形ID52658のunicog_working_id「死.s.v」
五十嵐陽介 2016; v2-u1 2026-04-14 groups
文献
日琉語類別語彙 データセット/日琉言宝
立場
groups(立場の定義なし)
箇所
lexemes.csv語形ID72331(SHINU、form2 sin-)

息+去ぬ説

主張1件

前部シを「息」とみて、息が絶える意に解く。増井が3説の第2に挙げる。

語形成 推測

しぬはシ(息)といぬ(去ぬ)の複合で、息が絶える意にあたる。

出典は一般向けの語源書1点で、シを「息」とみる根拠を示さない。 上代の「息」はiki(research/entries/iki.yaml)で、単独のsiという語形は ONCOJの語彙に「息」の語義で立たない。

増井金典 2012 提唱

公開データには引用本文を収録していません。

文献
日本語源広辞典 辞典
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
p. 483「しぬ【死ぬ】」

為・仕+いぬ説

主張1件

前部シを「為・仕」とみて、去ってしまう意に解く。増井が3説の第3に挙げ、自ら疑問を述べる。

語形成 疑義

しぬはシ(為・仕)といぬの複合で、去ってしまう意にあたる。

出典は3説の1つとして挙げたうえで、自ら疑問を述べる。他に唱える資料を見ていない。

増井金典 2012 疑問

公開データには引用本文を収録していません。

文献
日本語源広辞典 辞典
立場
疑問(別の説に疑いを置きます)
箇所
p. 483「しぬ【死ぬ】」

sin-とin-の共通語源説

主張4件

ナ行変格の2語を同じ語源に結び、*(s)in(V)-を立てる。フレレスヴィグは伝統的な語源説として紹介し、 日本語版ウィクショナリーは日琉祖語*(s)inuを掲げる。マーティンはこの対を語頭s-とゼロの交替の一例に数え、 あめ/-さめやうつ/すつと同じ枠に置く。完了の助動詞については、 これをin-に遡らせる伝統的な扱いに対し、フレレスヴィグはコピュラ*nV由来を可能性の高い側に置く。

再建 通説

伝統的な語源説はsin-とin-を同一の語源に結び、*(s)in(V)-に遡らせる。

フレレスヴィグは伝統的な語源説の紹介としてこれを述べ、括弧に入れて*(s)in(V)-を掲げる。自説の位置には置かない。 日本語版ウィクショナリーは日琉祖語*(s)inuを立て、典拠を示さない。 マーティンの*si+in-の切り方(c-sin-inu-compound-martin)も、sin-とin-を結ぶ点でこの形に重なる。

Frellesvig, Bjarke 2010 伝聞
Traditional etymology posits a relation between the two lexical verbs (< *(s)in(V)-) and also derives the perfective auxiliary from in-.
文献
A History of the Japanese Language 書籍
立場
伝聞(他の説として伝えます)
箇所
§3.4.2.2(p. 105)
日本語版ウィクショナリー編集者 2024-12-01 記述
{{etyl|ojp|ja}}「[[#{{ojp}}|しぬ]]」 < {{etyl|jpx-pro|ja}} {{m|jpx-pro|*(s)inu}}
文献
日本語版ウィクショナリー ページダンプ 2024-12-01 データセット/Wikimedia Downloads
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
ページ「しぬ」(版1802069、2023-08-10)
alternation 通説

マーティンは第1章§31「s-とゼロの交替」にsin-「死ぬ」とin-「去る」の対を置き、 ame/-same「雨」、ara-/sara-「新」、ine/-sine「稲」、awo/-sawo「青」、 sut-/ut-/us-「失う」と同じ枠に並べる。

節はs-の出所を一つに定めず、接頭辞sa-、複合語の形態境界、語頭子音の散発的な消失を並べる。 sa-説については、意味が支えない点と、接頭辞形が複合の後項に立つ不自然さを挙げる。 フレレスヴィグの*(s)in(V)-は、括弧に入れたsで同じ交替を書き表す。 この枠に入る他の対は、うつ・すつ(research/entries/sut.yaml、research/entries/utu.yaml)と あめ・-さめ(research/entries/ame-rain.yaml)、あら・さら(research/entries/ara.yaml)にあたる。

Martin, Samuel Elmo 1987 記述
Also the verb pair sin- 'die' and in- 'pass/go away', which form a uniquely hybrid conjugation in older Japanese.
文献
The Japanese Language through Time 書籍
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
第1章§31(p. 35)
Martin, Samuel Elmo 1987 記述
A number of examples can be adduced to demonstrate the alternation of s- with zero, the most familiar being ame 'rain' with its combining form -same in haru-same 'spring rain', ko-same 'shower', etc.
文献
The Japanese Language through Time 書籍
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
第1章§31(p. 35)
山口佳紀 1974-09-30 提唱
文献
古代日本語における語頭子音の脱落 論文/国語学98
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
p.5
切れ目 推測 共有: 死ぬのsin-・死ぬのsin-と朝鮮語ci-

同じ主張が複数の説に含まれます。等級、出典、根拠は共通します。

マーティンはsinuを*si+ini[y]-/in-の複合として切る分析を疑問符付きで挙げ、 その*si-をさらに*siy-・*so(-)Ci-「死ぬ」に遡らせる。sosu・sise[y]-「殺す」と 朝鮮語ci-「死ぬ、萎れる、過ぎ去る」を比較対象に置く。

切り方にも、その先の*si-の遡形にも疑問符が付く。 切り方の後部にあたるini[y]-/in-は、ONCOJの語彙素l030186a(語形in、 語義「depart」「die」、47例)と綴りの上で重なる。 マーティンはこの分析の中でinuを引くため、mina(research/entries/midu-water.yaml)や kabu(research/entries/kubi-neck.yaml)と異なり、出典自身が両者を結ぶ。 朝鮮語との比較は語形と語義を並べるにとどまり、音対応を示さない。

Martin, Samuel Elmo 1987 疑問
?< *si - ini[y]-/in- < *si[yi] inᵃ/₀-Ci-/ina-, with a verb *si- ?< *siy- < *so(-)Ci- 'die' (cf. sosu = sise[y]- 'kill', Korean ci- 'die, wilt; pass by/away')
文献
The Japanese Language through Time 書籍
立場
疑問(別の説に疑いを置きます)
箇所
第6章§6.6(p. 752)
再建 提案

フレレスヴィグは完了の助動詞-(i)n-の由来をコピュラ*nVに置く。

伝統的な語源説が完了の助動詞をin-に遡らせるのに対し、コピュラ由来を可能性の高い側として示す。 コピュラ*nV-は同書が非定形のni・no・to・tuや-zi(<*nVsi)とともに扱う体系の一部にあたる。 しぬの語尾を完了の助動詞とみる切り方(c-sin-nu-perfective)は、この由来のもとでは 助動詞とin-が別の語源に立ち、シ+いぬの複合説と重ならない。

Frellesvig, Bjarke 2010 提唱
It is more likely, however, that the perfective -n- derives from a copula *nV, see 3.5.2.
文献
A History of the Japanese Language 書籍
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
§3.4.2.2(p. 105)

母音語幹動詞起源説

主張1件

語を切らず、ナ行変格という活用類の履歴として説明する。ヴォヴィンはsin-とin-がもと 母音語幹動詞の活用に属したとみる。シの由来には触れない。

再建 提案

ヴォヴィンはナ行変格の2語がもと母音語幹動詞の活用に属し、のちに子音語幹動詞の活用の一部を 取り込んだとみる。語幹末の/n/を持つ規則的な子音語幹動詞が西部上代日本語に無いことを根拠に挙げる。

語の内部を切らずに活用類の履歴として説明する立場で、シの由来には触れない。 同書は/n/が語幹末に立たない事実そのものを内的再建の難問とし、既出の説明を退ける。

Vovin, Alexander 2020 提唱
There are only two verbs in this class: sin- 'to die' and in- 'to go away.' Because there are no regular consonant verbs in Western Old Japanese that end in /n/, it seems likely that these two verbs originally belonged to a vowel verb paradigm but later acquired parts of a consonant verb paradigm.
文献
A Descriptive and Comparative Grammar of Western Old Japanese 書籍
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
§2.3.5(pp. 457–458)
Vovin, Alexander 2020 記述
A puzzle itself for the internal reconstruction: /n/ and /y/ and /w/ are the only consonants that do not appear as a final consonant in Western Old Japanese consonant verbs. While there might be a cogent explanation why /y/ and /w/ behave oddly in this respect, the absence of /n/ is baffling in spite of several explanations that have been offered.
文献
A Descriptive and Comparative Grammar of Western Old Japanese 書籍
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
§2.3.5の注9(p. 457)

日琉語族の外部との比較2説

日琉語族を超える語族設定を伴います。設定そのものが争われます

死ぬのsin-と朝鮮語ci-

主張1件

マーティンが切り方の中で括弧に入れて挙げる日本語外の比較。語形と語義を並べるにとどまる。

切れ目 推測 共有: 死ぬのsin-・sin-とin-の共通語源説

同じ主張が複数の説に含まれます。等級、出典、根拠は共通します。

マーティンはsinuを*si+ini[y]-/in-の複合として切る分析を疑問符付きで挙げ、 その*si-をさらに*siy-・*so(-)Ci-「死ぬ」に遡らせる。sosu・sise[y]-「殺す」と 朝鮮語ci-「死ぬ、萎れる、過ぎ去る」を比較対象に置く。

切り方にも、その先の*si-の遡形にも疑問符が付く。 切り方の後部にあたるini[y]-/in-は、ONCOJの語彙素l030186a(語形in、 語義「depart」「die」、47例)と綴りの上で重なる。 マーティンはこの分析の中でinuを引くため、mina(research/entries/midu-water.yaml)や kabu(research/entries/kubi-neck.yaml)と異なり、出典自身が両者を結ぶ。 朝鮮語との比較は語形と語義を並べるにとどまり、音対応を示さない。

Martin, Samuel Elmo 1987 疑問
?< *si - ini[y]-/in- < *si[yi] inᵃ/₀-Ci-/ina-, with a verb *si- ?< *siy- < *so(-)Ci- 'die' (cf. sosu = sise[y]- 'kill', Korean ci- 'die, wilt; pass by/away')
文献
The Japanese Language through Time 書籍
立場
疑問(別の説に疑いを置きます)
箇所
第6章§6.6(p. 752)

漢語「死」+いぬ説

主張3件

前部シを漢語「死」の字音とみて、後部を「去る」の意の語(いぬ、または完了の助動詞ぬ)に当てる。 増井は3説の第1に置き、金平は古代中国語sij(死)またはシナ・チベット系の同源語の取り込みとし、 在来語koruを追いやったとする。角川古語大辞典は字音シとの同音を偶合と述べ、 字音を経た語としては「死す」を挙げる。

借用 疑義

しぬの前部シは漢語「死」の字音に由来する。

借用とみる2点はいずれも一般向けの語源書と個人ブログで、字音シの受容時期も、 借用当時の中国語音と上代日本語siの対応も示さない。角川古語大辞典は同じ同音関係を 偶合と述べ、字音を経た語としては「死す」が別に行われる点を挙げる。 増井が根拠に引く万葉例(巻15・3772の之爾吉)は語が奈良時代に文証されることを示すにとどまり、 借用か在来かを分けない。

増井金典 2012 提唱

公開データには引用本文を収録していません。

文献
日本語源広辞典 辞典
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
p. 483「しぬ【死ぬ】」
金平譲司 2018-05-06 提唱

公開データには引用本文を収録していません。

文献
「死ぬ」と「殺す」の語源 ウェブ資料/日本語の意外な歴史
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
本文(sinuの由来を述べる段)
中村幸彦 1982-1999 反対

公開データには引用本文を収録していません。

文献
角川古語大辞典 辞典
立場
反対(別の説を退けます)
箇所
し・ぬ【死】
切れ目 提案

しぬの語尾ヌを完了の助動詞ぬと同じものとみる。

大辞泉の補説は、助動詞ぬが平安時代まで死ぬに付かないという分布を根拠に挙げる。 この切り方は完了の助動詞をin-に遡らせる伝統的な語源説と組む。 フレレスヴィグは完了の-(i)n-をコピュラ*nVに置き、活用の面ではsin-の連体形sinuruを 終止形sinuに-ruが付いた形として分析する。

松村明 2026-08-27 記述

公開データには引用本文を収録していません。

文献
デジタル大辞泉 辞典/コトバンク
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
死ぬ、補説
金平譲司 2018-05-06 記述

公開データには引用本文を収録していません。

文献
「死ぬ」と「殺す」の語源 ウェブ資料/日本語の意外な歴史
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
本文(ナ行変格活用を述べる段)
Martin, Samuel Elmo 1987 記述
In the early language the stem sin- would never take the perfect auxiliary nu(ru), which is thought to derive from in-, but by Kamakura times forms like sininu, sininiki, etc., were permitted (Satō 1973:96, 260).
文献
The Japanese Language through Time 書籍
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
第1章§31(p. 35)
語義変化 推測

金平は「死ぬ」を意味する在来語koruを立て、sinuの流入によってkoruが「死ぬ」の語義を失い、 上代のkoru(懲る)から現代のkoriru(懲りる)に至ったとする。korosu(殺す)はこのkoruから作られた他動詞にあたる。

「死ぬ」の語義を持つkoruは文証されない。ONCOJのkorは「rebuke, scold」で、 出典もこの語義の消失を前提として論を立てる。ウラル語族との比較は語形と語義を並べるにとどまり、 音対応を示さない。出典は査読を経ない個人のブログにあたる。

金平譲司 2018-05-06 提唱

公開データには引用本文を収録していません。

文献
「死ぬ」と「殺す」の語源 ウェブ資料/日本語の意外な歴史
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
本文(korosuの由来を述べる段)

単語家族の成員4件

語根拠
*sina-c-sin-alternatives-martin
しぬc-sin-alternatives-martin
*(s)in(V)- 候補
いぬ 候補

用例1件

資料
oncoj-2021
箇所
巻一五・三七七二
表記
保等保登之爾吉
転写
potopoto sini ki
注
増井が漢語由来説の根拠に引く万葉例にあたる。ONCOJは之爾を語彙素l030883aの音仮名sini、 吉を過去の助動詞l000015のkiとする。歌全体の訓みはこの項目で確かめていない。

外部データベース2件

イヌ 語源由来辞典

異表記: 犬・狗・いぬ

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戌 語源由来辞典

異表記: いぬ・戌年・いぬどし

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