語源項目

*upa

うは・上

再建 先上代日本語 語基

単語家族と見出しの単位 11件

*upa「上」うは・うへ 編集

マーティンの再建語基*upaを中核とし、ONCOJの被覆形upa、露出形upe、短形pe、複合語、現代語形を収める。 再建形は説ごとに区別する。*upa-iという分節の確かさは、upa/upeの交替の確かさとは別に扱う。 カミ(上)はkamiの項目に属する別語である。

うへ 上 文証
言語
上代日本語
種別
語
品詞
名詞

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National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
upe / noun / exposed / top; above; surface, area
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l050029a
于 拙 2026-08-20 記述

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文献
日本語通時連語コーパス(DCCJ) データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
語彙素うえ(上、名詞)の行
国立国語研究所 通時コーパスプロジェクト 2023-08-11 記述

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文献
『日本語歴史コーパス』統合語彙表(バージョン2023.03) データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
語彙素上(ウエ、名詞-普通名詞-副詞可能)の行
うは 上 文証
言語
上代日本語
種別
形態素
品詞
語基

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National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
upa / noun / covert
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l050029b
へ 上 文証
言語
上代日本語
種別
語
品詞
名詞

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National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
pe
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l050029a
うはへ 上辺 文証
言語
上代日本語
種別
語
品詞
名詞

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National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
upapye / [unknown; amiability?
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l052264
をのへ 尾上 文証
言語
上代日本語
種別
語
品詞
名詞

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National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
wonope
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l080344
きのへ 文証
言語
上代日本語
種別
語
品詞
地名

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National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
kwinope
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l080055
うえ 上 文証
言語
日本語
種別
語
品詞
名詞

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精選版日本国語大辞典 2006 記述

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文献
精選版日本国語大辞典 辞典
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
上の項
うわ 上 文証
言語
日本語
種別
形態素
品詞
語基

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精選版日本国語大辞典 2006 記述

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文献
精選版日本国語大辞典 辞典
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
上の項
*upa 説内
言語
先上代日本語
種別
形態素
品詞
語基

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*upa-Ci 説内
言語
先上代日本語
種別
語源形
品詞
語源形

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*upai 説内
言語
日琉祖語
種別
語源形
品詞
語源形

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語形5件

upa 文証

被覆形。うはは歴史的仮名遣による表記である。

National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
l050029b・l052264
upe 文証

露出形。Frellesvig-Whitman式upeは、ヘ乙類をe₂で示す転写のupe₂に対応する。

National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
l050029a
upye 文証

東国形。万葉集14・3539の宇敞。

National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
MYS.14.3539・l050029a
うえ 現代東京のアクセント型 0,2 Thomas Pellard 文証
精選版日本国語大辞典 2006 記述
文献
精選版日本国語大辞典 辞典
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
うえ うへ【上】
うわ 文証
精選版日本国語大辞典 2006 記述
文献
精選版日本国語大辞典 辞典
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
うわ うは【上】
語形の状態 文証 再建 編集 説内
主張の等級 定説 通説 提案 推測 疑義

語義2件

高い場所。上方。

National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
top; above
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l050029aの語義1・2
精選版日本国語大辞典 2006 記述

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文献
精選版日本国語大辞典 辞典
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
うえ うへ【上】の項の語義一①

物事の表面。

National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
surface, area
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l050029aの語義3
精選版日本国語大辞典 2006 記述

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文献
精選版日本国語大辞典 辞典
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
うえ うへ【上】の項の語義二(初出は書紀(720)継体七年九月・歌謡)

諸説 5説/主張12件

被覆形と露出形の対応

主張6件

うは・うへの交替、への短形、複合語、現代のうわ・うえへの対応を記述する。

母音交代 定説

ONCOJは被覆形upaと露出形upeを同一の語彙グループに置く。

ONCOJの語彙分析とVovinの自由形・結合形の一覧が一致する。語形の分布を述べる主張で、交替の起源までは定めない。

National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
upa / covert; upe / exposed
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml上位項目l050029-main
Vovin, Alexander 2020 記述
upɛ / upa- / top
文献
A Descriptive and Comparative Grammar of Western Old Japanese 書籍
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
第3章§1・p.85の自由形・結合形一覧
語形交替 通説

ONCOJはupeとpeを同じ語彙素の語形として扱う。

語彙表の同定による。どちらを古形とするかはこの同定から定まらない。

National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
upe; pe; upye
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l050029a
語形成 提案

ONCOJはupapyeをupa「上」とpye「辺」の複合とする。

複合関係は語彙表に明記される。語全体の語義には同じ資料が疑問を残す。

National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
upa + pye
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l052264のcompound関係(l050029b・l050133)
語形成 通説

ONCOJはwonopeをwo・no・peに分析し、末尾を上の短形に結びつける。

ONCOJの複合関係による。

National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
wo + no + pe
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l080344
音韻変化 定説

Frellesvigは上代upeから中古uweを経てueに至る変化を示す。

語中pのwへの変化と、語中wのeの前での消失による。同書pp.202・207にこの語を含む例がある。

Frellesvig, Bjarke 2010 記述
(upe >) uwe
文献
A History of the Japanese Language 書籍
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
§7.3.2.2の例17(p.202)・§7.3.2.4の例22(p.207)
音韻変化 通説

上代の被覆形upaは現代語の造語要素uwaに対応する。

ONCOJの被覆形と、マーティンp.566のuwa(-)の語史を照合した対応である。

National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
upa
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l050029b
Martin, Samuel Elmo 1987 記述
uwa(-)
文献
The Japanese Language through Time 書籍
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
第5章§5.9・p.566

マーティンの再建

主張2件

ウワの語基に*upa、ウエに*upa-Ciを立てる。

再建 提案

マーティンはウワの系列をuwa(-) < ufa(-) < *upa(-)とする。

p.566の明示的な再建である。上代のupaへの対応はONCOJとの照合による。

Martin, Samuel Elmo 1987 提唱
uwa(-) < ufa(-) < *upa(-)
文献
The Japanese Language through Time 書籍
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
第5章§5.9・p.566・uwaの項
再建 提案

マーティンはウエの系列をue < ufey < *upa-Ciとする。

p.560の明示的な再建である。Cを含む分析であり、*upa-iという分節と区別して保持する。

Martin, Samuel Elmo 1987 提唱
ue < ufey < *upa-Ci
文献
The Japanese Language through Time 書籍
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
第5章§5.9・p.560・ue「above

*upaiの再建と-i分節仮説

主張2件

*upaiを掲げる共同編集辞典の記述と、*upa-iという分節仮説を帰属・留保付きで示す。

再建 推測

英語版ウィクショナリーは日琉祖語*upaiを立て、上代のupe・upaと現代のue・uwaを後続形に挙げる。

当該再建項目に参考文献がない。a/eの交替からの再建としては理解できるが、比較資料の検証過程が示されない。

Wiktionary contributors 記述
文献
上 — Japanese ウェブ資料/English Wiktionary
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
Japanese・Etymology 1(*upay・upaとの交替)
Wiktionary contributors 2024-05-30 提唱
*upai
文献
Reconstruction:Proto-Japonic/upai ウェブ資料/English Wiktionary
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
Noun・Descendants節
切れ目 推測

*upa-iという分節は、upaに助詞iの祖形が結合したとみる仮説に対応する。

2023年版ウィクショナリーのミラーの検索索引は助詞iとの融合を可能性として述べるが、本文は未確認である。 Frellesvigは名詞の母音交替一般について助詞iの祖形説を紹介し、語根末子音が*yへ弱化したとする見方を採る(pp.45–46)。 同書のその箇所にはupa-iという個別形はない。Vovinも自由形の祖形を*-y終わりとする(p.85)。 *upaiという音形だけから形態素境界や接尾要素の機能は定まらない。

Frellesvig, Bjarke 2010 伝聞
proposals including the ancestor of the particle i
文献
A History of the Japanese Language 書籍
立場
伝聞(他の説として伝えます)
箇所
§2.7.2.2・p.45
Vovin, Alexander 2020 記述
The free stem represents the original root that invariably ended in *-y in Proto-Japonic.
文献
A Descriptive and Comparative Grammar of Western Old Japanese 書籍
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
第3章§1・p.85の一覧直後

阪倉の表面原義説

主張1件

ウヘの原義をシタに対する「表面」に取り、カミ(上)との混同が漢字「上」を介して 起こったとみる。

語義の配当 提案

阪倉はウヘを元来シタに対して「表面」の意味の語とする。

阪倉はこの語義を断りなく前提として置き、根拠に挙げるのは漢字「上」に表面の意味が あることだけである。表面の語義そのものは他の資料が支える。 ONCOJは語彙素の語義に「surface, area」を並べ、精選版日本国語大辞典は 「二 物事の表面」の欄を立てて書紀(720)継体七年九月歌謡の 魚が水面に出る場面を最初の用例に置く。 同じ欄の平家の例はウヘとシタを対に置く。 「元来」の側には支えが乏しい。ONCOJの語義の並びは「top」「above」を先に置き、 精選版日本国語大辞典の語誌は、表面の意を持ったのは中古から中世にかけてのことで、 その時期にはウラとも対義関係を持ったとする(c-upe-goshi-nikkoku)。

阪倉篤義 2011 記述
ウヘは、元来シタに対して「表面」の意味である。漢字「上」には、表面の意味もある
文献
増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
増補「語源――「神」の語源を中心に」の節「七 カミ(神)とカミ(上)」、ダンプ頁449

表面の意を中古から中世に限る見方

主張1件

修正 阪倉の表面原義説に対して

表面の語義を一時期の用法とみて、その衰退とともにウラ―オモテの対に置き換わったとする。

semantic_shift 通説

精選版日本国語大辞典の語誌は、ウヘの対義語が古代から現代までシタで安定する一方、中古から中世にかけて表面の意を持ったためウラとも対義関係を持ち、中世頃にその意味が衰退するとウラ―オモテの対義関係に取って代わられたとする。

辞典の語誌欄の記述で、用例の年代はこの欄に添えられない。 表面の語義の最初の用例は語義二①に置かれた書紀(720)で、 語誌が言う中古から中世よりも古い。欄どうしの食い違いにあたる。 阪倉の「元来」との関係では、対義語をシタに取る点で一致し、 表面の語義を古い側に置くかどうかで分かれる。

精選版日本国語大辞典 2006 記述

公開データには引用本文を収録していません。

文献
精選版日本国語大辞典 辞典
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
うえ うへ【上】の項の語誌(1)

単語家族の成員11件

語根拠
うはc-upa-upe-alternation
うへc-upa-upe-alternation
へc-upe-pe-variants
うはへc-upapye-composition
をのへc-wonope-composition
うえc-upe-ue-sound-change
うわc-upa-uwa-sound-change
*upac-upa-reconstruction-martin
*upa-Cic-upe-reconstruction-martin
*upaic-upai-reconstruction-wiktionary
きのへ 候補ONCOJはkwi・no・peとのrelated関係を挙げる。地名の同定にも疑問があるため候補に置く(l080055)。

関連する単位1件

へ 辺 文証

ある場所の辺り。

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用例3件

資料
oncoj-2021
箇所
巻四・六三一
表記
宇波弊
読み
うはへ
転写
upapye
注
ONCOJの句「宇波弊無」の語頭3字。語彙素l052264。
資料
oncoj-2021
箇所
巻四・六九二
表記
得羽重
読み
うはへ
転写
upapye
注
ONCOJの句「得羽重無」の語頭3字。語彙素l052264。
資料
oncoj-2021
箇所
巻十四・三五三九
表記
宇敞
読み
うへ
転写
upye
注
ONCOJの句「安受乃宇敞爾」中の語形。東国形であり、同資料はpe/pyeの合流を反映する可能性を述べる。

外部データベース1件

goshidb-index-2026-08-20

語彙素上(ウエ、名詞-普通名詞-副詞可能)の語誌データベース項目。