語源項目

kumwo

くも・雲

文証 上代日本語 名詞 Frellesvig-Whitman転写

雲(上代日本語kumwo)

資料横断で引く くも

単語家族と見出しの単位 2件

*kumwo「雲」くも source
くも 雲 文証
言語
上代日本語
種別
語
品詞
名詞

ネットワークで見る

National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
kumwo ~ kumo ~ kumu / noun / cloud
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l050115
*kumwo 説内
言語
日琉祖語
種別
語根
品詞
語根

ネットワークで見る

語形0件

語形情報はありません。

語形の状態 文証 再建 編集 説内
主張の等級 定説 通説 提案 推測 疑義

語義1件

雲。

National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
cloud
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l050115の語義1

諸説 2説/主張6件

雲のkumwo

主張3件

公開された再建は島袋の日琉祖語*kumwoひとつで、アクセントの対応に依る。マーティンは祖形を挙げず、 上代語形kumwoまでを示すにとどめる。

再建 提案

島袋は日琉祖語*kumwo「雲」を立て、上代日本語kumwo・東国語kumoに至る系列に置く。

日本語諸方言と琉球諸語のアクセントの対応から導いた再建。語形は上代語形と変わらない。 琉球側は*kʰumu・*kumu・*fumuと語末をuとする形で揃う。

Shimabukuro, Moriyo 2007 提唱
cloud (2.3) PJ *_kumwo, PMJ *_kumwo [ku⌉mo, ku⌉mo, _kumo, _kumo]: WOJ kumwo, EOJ kumo, MJ kumo, PR *_kʰumu⌉, PA *kʰumu⌉ [kumu, -- , kumo⌉], PO *kumu [_kumu:, _kumu, --]: OR kumo, PM *_fumu⌉ [hmmu⌉, fumu⌉, fumu⌉], PY *_fumu⌉ [_humu, hu⌈mu, fumu], Y _mmu.
文献
The Accentual History of the Japanese and Ryukyuan Languages: A Reconstruction 書籍/Languages of Asia 2
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
付録(p. 366)
アクセント 通説

マーティンは雲のkumoをkumwoから来た形とし、アクセント類2.3に置く。祖形は挙げない。

諸方言のアクセントと文献のアクセント資料をまとめた記述。項は上代語形kumwoまでを示し、 そこから先の祖形を挙げない。同じ頁の蜘蛛のkumoには疑問符付きで*kunpo・*konpoを挙げる。 蜘蛛の項に祖形が挙がる以上、雲の項の空欄は記載漏れではない。祖形を挙げない扱いにあたる。

Martin, Samuel Elmo 1987 記述
2.3 kumo < kumwo. 'cloud'. LL - 1-2-B B-B-B. NS (Okada) LL; NS (T 116) LL. Km (S,W) LL. Mr (Bm) HL. Edo HL.
文献
The Japanese Language through Time 書籍
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
第5章§5.9(p. 463)
同定 提案

蜘蛛のkumoは雲とは別の語彙素で、マーティンは疑問符付きで*kunpo・*konpoを挙げる。 雲には祖形を挙げないため、両者を結ぶ記述は無い。

ONCOJは蜘蛛を別の語彙素に立て、関係欄を持たない。語末の母音も、雲の主たる語形kumwoが乙類、 蜘蛛のkumoが甲類で分かれる。アクセント類も2.3と2.5で異なる。

Martin, Samuel Elmo 1987 記述
2.5 kumo < ?*kunpo < ?*konpo. 'spider'. LR - 1-1:3-B
文献
The Japanese Language through Time 書籍
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
第5章§5.9(p. 463)
National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
kumo / noun / spider
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l052509

クム(隠れた所)由来説

主張3件

別層 雲のkumwoに対して

隠れるの意の動詞クムから作られた名詞クムの母音交替形をクモとみて、 空の蔭になって見えない部分、すなわちクマ(隈)にあたる部分を呼んだ語とする。 同じ語形クムを岩波古語辞典は東国方言とし、由来の与え方が分かれる。

母音交代 提案

阪倉はkumuの母音交替形kumoが「雲」を意味する語として用いられたとみる。

阪倉は「恐らくは」と置く。出発点の名詞クム(隠れた所)は、 クムシラ(隩)の中に保存された形として推定されるにとどまり、単独の用例が無い。 ONCOJは語形の欄にkumwo・kumo・kumuを並べ、kumuの語形自体は文証を持つ。 岩波古語辞典はそのkumuを上代東国方言とし、母音交替の一方の項とはしない。 u―oの交替そのものには8組の例が挙げられ、うち3組に紀の用例が添う。

阪倉篤義 2011 提唱
そして、恐らくは、このkumuの母音交替形kumoが、「雲」を意味する語として用いられた。
文献
増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
「語源――「神」の語源を中心に(増補)」の節「六 カミの成立」、ダンプ頁441
語義の配当 提案

阪倉はクモ(雲)を、空の蔭になって見えないクマの部分を呼んだ語とする。

根拠は「雲隠る」という語の存在と、「クマなき月影」「クモりなき月影」という 言い換えの並行にある。 ONCOJのクマの語彙素l051332は26例で、語義に「bend」と「depth, shade」を並べ、 蔭になって見えない所という語義の側は阪倉の記述と合う。 雲隠るは語彙素l030655a(kumogakur、24例)として立ち、 曇るのkumor(l030657a、6例)も別に立つ。 クマとクモを結ぶのは語義の重なりで、音の対応は前の主張のu―o交替に依る。

阪倉篤義 2011 提唱
すなわち、クモ(雲)というのは、「雲隠る」の語があるように、空の、蔭になって見えないクマの部分をそう呼んだのである。「クマなき月影」とは、「クモりなき月影」である。
文献
増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
「語源――「神」の語源を中心に(増補)」の節「六 カミの成立」、ダンプ頁442
National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
kuma / noun / bend; depth, shade
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l051332
同定 通説

岩波古語辞典は語形クムを、クモの上代東国方言とする。

ONCOJが1つの語彙素の中に並べるkumwo・kumo・kumuのうち、 kumuを方言の語形として位置づける。 阪倉はこの語形を古い名詞クムの側に置き、そこからの母音交替でkumoを導く。 両者は同じ語形に別の由来を与えており、防人歌の用例だけでは決まらない。

引用なし

用例0件

用例はありません。

外部データベース0件

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