マーティンの*uka-とONCOJの自他対応
主張5件
四段のuk(自動)と下二段のuke(他動)が接尾辞-e-で結ばれる自他の対。 マーティンは*uka-(アクセント類A)に遡らせ、同じ語根からukabu・ukareruの系列を立てる。 ukab/ukabeの自他の対はONCOJの派生記述に基づく。
下二段のuke(浮かべる)は、四段のuk(浮く)に接尾辞-e-が付いた派生形である。
ONCOJの関係欄が2つの語彙素を自他の対として結び、派生欄が接尾辞-e-(f000052)を挙げる。 焼くyak/焼けるyakeと同じ型で、こちらは四段が自動・下二段が他動にあたる。
National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
- 文献
- Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- lexicon.xml語彙素l030239aの関係欄・派生欄
マーティンは浮くのukuを*uka-に遡らせ、アクセント類を括弧付きの(A)とする。語義は「float」とする。
疑問符を伴わない再建。名義抄の類は括弧付きの(A)で掲げられる。日本書紀の声点資料を 3箇所挙げる。同じ頁のukabu「float」(< *uka-n[a]-pa-)・ukaberu・ukabaseruが 同じ語根から立つ。島袋2007は本文の文字層をfloatで検索して動詞ukuの再建が無く、 この語のアクセント史の再建はマーティンの1件のみである。
Martin, Samuel Elmo 1987 提唱
A uku < *uka-. 'float'. (A) - A-A-A x-A-x. NS (94b [11:44-K, 11:47-K], 101b [11:135-K]) A. Km (W) A. Edo A. Narada A. Nk huCun A; Sr quk- A.
- 文献
- The Japanese Language through Time 書籍
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第6章§6.6(p. 778)
マーティンはukabuを*uka-n[a]-pa-に遡らせ、浮くの*uka-を含む派生形と分析する。
マーティン1987の明示的な語形分析に基づく。ONCOJはukabとukを別語彙素に立て、この間の派生関係は示さない。
Martin, Samuel Elmo 1987 提唱
- 文献
- The Japanese Language through Time 書籍
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第6章§6.6(p.778)、ukabu・ukuの行
ONCOJはukabとukabeを自他の対として結び、ukabeの派生欄に接尾辞-e-を掲げる。
ONCOJの自他の相互参照と接尾辞の記載による。四段が自動、下二段が他動である。
National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
- 文献
- Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- lexicon.xml語彙素l030234a・l030235aの関係欄、l030235aの派生欄
マーティンはukareruをukare[y]-、*uka-ra-Ci-に遡らせ、浮くの*uka-を含む派生形と分析する。
マーティンの再建をONCOJの下二段語幹ukareに対応づける。精選版日国も浮くの自発形とする可能性を挙げるが、断定を避けている。
Martin, Samuel Elmo 1987 提唱
- 文献
- The Japanese Language through Time 書籍
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第6章§6.6(p.778)、ukareru・ukuの行
精選版日本国語大辞典 2006 支持
- 文献
- 精選版日本国語大辞典 辞典
- 立場
- 支持(別の説を支持します)
- 箇所
- コトバンク「浮れる」語源注(https://kotobank.jp/word/浮れる-439098、2026-09-05閲覧)