語源項目

namita

なみだ・涙

文証 上代日本語 名詞 Frellesvig-Whitman転写

涙(上代日本語namita)

資料横断で引く なみだ

単語家族と見出しの単位 6件

*ma-na-miNta「涙」なみだ 編集

尹2025の*ma-na-miNtaを中核に置き、上代日本語namitaを収める。尹2026の琉球祖語*naⁿdaは基層借用説に属するため候補に置く。

なみだ 涙 文証
言語
上代日本語
種別
語
品詞
名詞

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National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
namita / noun / tears
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l051582
*ma-na-miNta 説内
言語
日琉祖語
種別
語源形
品詞
名詞

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*naⁿda 説内
言語
琉球祖語
種別
語
品詞
名詞

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nada 文証
言語
ryu-uruka
種別
語
品詞
名詞

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セリック・ケナン 2022; v34-u8 2026-08-21取得 記述
なだ / nada / 涙
文献
宮古語砂川方言語彙調査ノート データセット/日琉言宝
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexemes.csv語形ID56103、meanings.csv対応行
なみだ 涙・泪 文証
言語
中古日本語
種別
語
品詞
名詞

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于 拙 2026-08-20 記述

公開データには引用本文を収録していません。

文献
日本語通時連語コーパス(DCCJ) データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
語彙素2549
Thomas Pellard 2026-08-17; version 1 記述
涙 ナミダ accent_type 1 MMM
文献
Japanese has effectively only two accent patterns: A quantitative and information-theoretic approach to lexical predictability プレプリント/SocArXiv
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
scajk-accent.jsonlの「涙」の行
nunmul 文証
言語
朝鮮語
種別
語
品詞
名詞

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語形0件

語形情報はありません。

語形の状態 文証 再建 編集 説内
主張の等級 定説 通説 提案 推測 疑義

語義2件

涙。

National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
tears
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l051582の語義1

涙を流すこと。泣くこと。

精選版日本国語大辞典 2006 記述

公開データには引用本文を収録していません。

文献
精選版日本国語大辞典 辞典
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
「なみだ【涙・泪・涕】」②

諸説 3説/主張9件

日琉語族内部の比較1説

日琉諸語どうしの対応と内的再建によります

尹2025の涙形成説

主張3件

涙を*mà-na-miNtaに遡らせ、二つの*NC子音連結の一方が単純化する競合からnamîtaとnamîⁿdaを説明する。

再建 提案

尹は涙のnamîtaとnamîⁿdaを条件付きで*mà-na-miNtaに遡らせる。

尹2025はna-を*ma-na「目-GEN」の母音脱落形と仮定した場合の分析として示す。

尹熙洙 2025-07 提唱
*mà-na-miNta > *mnamiNta > *mnamita~*namiNta > namîta~namîⁿda
文献
日琉祖語の子音連結 論文/国立国語研究所論集29
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
§3.8、例(16)(p. 199)
切れ目 提案

尹はna-を*ma-na「目-GEN」の母音脱落形とみる仮説を示す。

尹2025は「仮定すると」と明記する。*miNtaの内部分析は同節で示されない。

尹熙洙 2025-07 提唱
na-の部分がma-na「目-GEN」の母音脱落形に当たると仮定すると
文献
日琉祖語の子音連結 論文/国立国語研究所論集29
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
§3.8(p. 199)
音韻変化 提案

尹は一語内の二つの*NC子音連結を避ける制約により、*mnamitaと*namiNtaの競合を予測し、 namîtaとnamîⁿdaの清濁交替を説明する。*NNもこの制約の*NCに含まれ、連濁では形態素境界の *Nを削除する選択が規則化したとする。語頭*NCを避ける傾向は、語中*Ntを保つnamîⁿdaが 現代まで残った分布と一致する。

尹2025によるLymanの法則の一般化である。複数の*NCのどれを単純化するかは語彙一般では 固定されず、連濁と語頭制約に方向性を認める。

尹熙洙 2025-07 提唱
一つの語の中に二つの*NC子音連結は許されない
文献
日琉祖語の子音連結 論文/国立国語研究所論集29
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
§3.8(p. 199)

接触による関係1説

借用・訳語・放浪語。系統関係を主張しません

尹2026の琉球祖語「涙」借用説

主張3件

古代九州基層方言のnamidaから母音脱落で生じた*namdaまたは*nandaを借用元に置き、 琉球祖語での音節末鼻音脱落によって*naⁿdaを導く。

再建 提案

尹は琉球祖語の「涙」を*naⁿdaと再建する。

尹2026の古代九州基層仮説に伴う再建である。

尹熙洙 2026 提唱
琉球祖語の*naⁿda「涙」
文献
日琉諸語の一員としての宮古語音韻史 学位論文
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
第5章§5.2(p. 85)
借用 推測

尹は古代九州基層方言のnamida「涙」から第2音節の母音を失った形が琉球祖語へ借用され、 借用後の音節末鼻音脱落によって*naⁿdaになったと解釈する。

借用元の*namdaと*nandaは二つの候補として示され、いずれも文証されない。 借用元方言を古代九州基層方言とみる位置付けも尹2026の仮説である。

尹熙洙 2026 提唱
*namdaあるいは*nandaの形式が琉球祖語に借用され
文献
日琉諸語の一員としての宮古語音韻史 学位論文
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
第5章§5.2(p. 85)
尹熙洙 2026 提唱
この借用元方言を「古代九州基層方言」と呼び
文献
日琉諸語の一員としての宮古語音韻史 学位論文
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
第5章§5.3(p. 87)
comparison_set 提案

日琉言宝は砂川方言nada「涙」にUniCog作業ID「涙.n.n」を付し、『日琉語類別語彙』は同じ組の琉球祖語参照形をnadaとする。

現代方言形と同源語接続を独立資料で確認できる。尹2026の前鼻音化表記*naⁿdaから砂川nadaまでの個別音変化は両データセットに明記されない。

セリック・ケナン 2022; v34-u8 2026-08-21取得 groups
文献
宮古語砂川方言語彙調査ノート データセット/日琉言宝
立場
groups(立場の定義なし)
箇所
lexemes.csv語形ID56103のunicog_working_id「涙.n.n」
五十嵐陽介 2016; v2-u1 2026-04-14 groups
文献
日琉語類別語彙 データセット/日琉言宝
立場
groups(立場の定義なし)
箇所
lexemes.csv語形ID71911(NAMIDA、form2 nada)

段の記載なし1説

比較の段を記していない説

朝鮮語nunmulとの同源説

主張1件

目と水の複合とみる朝鮮語の語と日本語の涙を結ぶ。辞典自身が疑問符を付す。

同源候補 推測

岩波古語辞典は、涙を朝鮮語nunmul(nunは目、mulは水)と同源かとする。

辞典が語釈の末尾に疑問符付きで添える比較で、音対応も語構成の対応も示されない。 日本語側のnami-taと朝鮮語のnun-mulを結ぶには、両語の第一音節と第二音節の対応を それぞれ立てる必要があるが、その手続きはこの箇所に無い。 尹2025が*ma-na「目-GEN」を第一要素に置く分析も、目を表わす語を語頭に見る点で 辞典の分析と重なるが、比較の相手を朝鮮語に取らない。

引用なし

その他の主張2件

attestation 通説

阪倉は、『源氏物語』五十四帖に「涙」「涙ぐむ」が二二五回ほど現われるとする。

本書は数の出所を示さない。DCCJは源氏物語の「涙」を190例、「涙ぐむ」を43例数え、 合わせて233例になる。DCCJは連語を単位に採録するコーパスで、本文の範囲が五十四帖の 全体と一致するかを確かめていないため、この数を照合の結果には取らない。

阪倉篤義 2011 記述
『源氏物語』五十四帖に、「泣く」ということばは、実に三七〇回も出てくるし、「涙」とか「涙ぐむ」とかいう語も二二五回ぐらい用いられている。
文献
増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
第二部1「日本語の感情表現」の節「よく泣いた日本人」、ダンプ頁133
于 拙 2026-08-20 記述

公開データには引用本文を収録していません。

文献
日本語通時連語コーパス(DCCJ) データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
語彙素2549および語彙素「涙ぐむ」の作品別頻度
sound-change 通説

精選版日本国語大辞典は、万葉集の表記に「那美多」(清音)と「奈美太」(濁音)の両様があるとする。

上代特殊仮名遣の枠内で清濁を書き分ける音仮名の表記に基づく観察である。 ONCOJは語彙素l051582の翻字を清音のnamitaに統一し、表音表記6例の清濁の別を 語彙素の側では分けない。表記ごとの内訳をこの項目で数え直していない。 尹2025がnamîtaとnamîⁿdaの両形を扱う清濁の交替は、この表記の別と同じ対象にあたる。

精選版日本国語大辞典 2006 記述

公開データには引用本文を収録していません。

文献
精選版日本国語大辞典 辞典
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
「なみだ【涙・泪・涕】」語誌(1)

単語家族の成員5件

語根拠
*ma-na-miNtac-namita-reconstruction-yun2025
なみだc-namita-lyman-generalization-yun2025
*naⁿda 候補
なみだ 候補
nunmul 候補

用例0件

用例はありません。

外部データベース2件

語誌情報ポータル(語誌データベース) 国立国語研究所

語誌情報ポータルは「涙/ナミダ」を名詞-普通名詞-サ変可能に立てる。

https://goshidb.ninjal.ac.jp/goshidb/word.php?goiso=%E6%B6%99&reading=%E3%83%8A%E3%83%9F%E3%83%80&hinshi=%E5%90%8D%E8%A9%9E-%E6%99%AE%E9%80%9A%E5%90%8D%E8%A9%9E-%E3%82%B5%E5%A4%89%E5%8F%AF%E8%83%BD

goibetsu

語別目録はなみだ【涙・泪】にW・A・グロータース『にっぽん文化考』(1976年、ダイヤモンド社) の1件を挙げる。書誌のみを得た。