乳のti
主張3件
公開された再建はマーティンの*tu-Ciのみで、島袋2007の付録はこの語を扱わない。 同じ頁の茅のtiも同じ*tu-Ciを持ち、アクセント類で分かれる。
マーティンは乳のtiを*ti[y]経由で*tu-Ciに遡らせ、アクセント類を1.3aとする。
道筋の全体に疑問符が1つ冠される。語末の-Ciは手の*ta-Ci、口の*kutu-Ciと同じ位置に置かれ、 その扱いはresearch/entries/ame-rain.yamlのc-martin-ci-notationが持つ。 cf.にtu「唾」を挙げ、その語義を疑問符付きで「liquid」とみる読みとmizu「水」を添える。 titiも比較対象に挙げる。 この語は島袋2007の付録に無く、日琉祖語の再建はマーティンの1件のみである。
Martin, Samuel Elmo 1987 提唱
1.3a ti ?< *ti[y] < *tu-Ci. 'milk'. *L - 1-1-x B-B-B. Km x. K: Hn LL "?". Sz 1. Sr cii B; Yn cii B. Cf. tu 'spit' (?= 'liquid', cf. mizu); titi.
- 文献
- The Japanese Language through Time 書籍
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第5章§5.9(p. 545)
マーティンは同じ頁に語形tiの見出しを5つ立てる。血(1.1)・霊(?1.1)・茅(?1.2)・ 乳(1.3a)・(敬称の)男(?1.3a)である。祖形は*to-Ciと*tu-Ciの2つに分かれ、 血には祖形が無い。
5つは連続して並ぶ。茅と乳は同じ*tu-Ciを持ち、アクセント類(?1.2と1.3a)で分かれる。 霊の項は血と同一かどうかを疑問符付きで問い、*to-Ciと*tu-Ciの2つを併記する。 血の見出しには祖形が無く、research/entries/ti-blood.yamlがその扱いを持つ。 ONCOJの語彙のtiは6項目で、マーティンの5見出しとは並びが対応しない。
Martin, Samuel Elmo 1987 記述
?1.1 ti (?= 'blood'; ?< *ti[y] < *to-Ci; ?< *ti[y] < *tu-Ci). 'spirit; force'. / ?1.2 ti < *ti[y] < *tu-Ci. 'cogon (= thatching grass), Imperata cylindrica' (= tigaya). / ?1.3a ti ?< *ti[y] < *to-Ci. 'esteemed male': see titi, ozi, oozi. NS (T+ 39) H.
- 文献
- The Japanese Language through Time 書籍
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第5章§5.9(p. 545)
マーティンはtiti「乳房、乳」を重複した形とみえると書き、乳のtiがその源であるか、 逆にtitiを切り詰めた形であるか、無関係であるかを決められないとする。
3つの可能性を並べて「unclear」と書き、選ばない。 重複の比較対象に挙がるmimi「耳」はresearch/entries/mimi-ear.yamlが扱い、 そちらでもマーティンは*mi-miと切る。momo「百」「桃」はこの作業環境に項目が無い。 titi「乳房、乳」はONCOJの語彙に無い。ONCOJのtitiは父のl050641(語形titi・sisi・toti、42例)と 樹木らしきl090372(2例)で、この語義の項目は立たない。 乳のtiとtitiの関係を上代の資料で確かめる材料は、この項目の側に無い。
Martin, Samuel Elmo 1987 疑問
?2.4 titi. 'breasts; milk'. (x) - 2-1-B (x-x-x). Km x. Hiroshima 1: Tk accent delay due to vowel unvoicing. Ib L = 2.4. The word looks to be a reduplication (like mimi and momo), but it is unclear whether ti (?< *tu-Ci) 'milk' is the source, is itself a truncation of titi, or is unrelated.
- 文献
- The Japanese Language through Time 書籍
- 立場
- 疑問(別の説に疑いを置きます)
- 箇所
- 第5章§5.9(p. 546)