再建 ●○○ 提案
阪倉はつつむ・つつしむの共通語基つつに、内に籠める意の中心を認める。
語基の共通性は阪倉の提案である。先上代への配置は編纂上の仮置きで、個々の接辞の切り方を阪倉はここで示さない。
阪倉篤義 2011 提唱
共に語基「つつ」に中心の意味がある。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部2「「やさしさ」の両面」の節「「瘦す」「やさし」」、ダンプ頁176–177
派生 ○○○ 推測
編纂案は、つつむの語幹を*tutu-m-と分析する。
共通語基つつを切り出す分析である。残る*-m-の機能と年代は未確定である。
Martin1987(p.776)は*-ma-を切り出し、*tutwoから動詞を作る可能性を挙げる。
編纂案の分節と方向はこの分析と区別する。
継承・形変化 ○○○ 推測
編纂案は*tutu-m-を上代語tutum(つつむ)の先行語幹とする。
tutumは文証される。先行段階の分節と継承は編纂案に属する。
派生 ○○○ 推測
編纂案は、つつしむの語幹を*tutu-si-m-と分析する。
阪倉が述べる語基の共通性を細分する編纂案である。*-si-の機能と*-m-との結合順序を示す文証は未確認である。
Martin1987(p.776)の再建表記は*tutu(-)sima-で、sima内部の*-si-と*-m-への分節は示さない。
継承・形変化 ○○○ 推測
編纂案は*tutu-si-m-から、つつしむに至る系列を想定する。
中間段階の文証と年代は不明である。現代形の存在は先上代の分節を証明しない。
編纂者 2026-09-05 提唱
- 文献
- つとを*tutu-aに遡らせる体言形成案 覚え書き/編纂者覚え書き
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- つつしむの語幹分析
阪倉篤義 2011 支持
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 支持(別の説を支持します)
- 箇所
- ダンプ頁176–177、つつしむへの言及
語形成 ○○○ 推測
編纂案は、語基*tutuに体言を作る接尾辞*-aを添え、*tutu-a(連続表示*tutua)を立てる。
つとに*-aを認める分析は編纂案である。阪倉の体言構成論はa接尾の比較対象となるが、
つとの箇所はtutu〜tutoと書くにとどまる。語末のuを保持してaを添えるこの分析と、
阪倉のtuku〜tukaなどの分析との同定は未確定である。接尾辞の頻度は集計していない。
Yanagida・Whitman2009(p.132)はtuk- : tukaとmur(e)- : muraを名詞化接尾辞*-aの例に挙げる。
Francis-Ratte2026(p.285)もoya・nukaの*-aを論じるが、つとへの適用は述べない。
両文献は接尾辞を仮定する一般的背景となる。*tutu-aという入力形の存在は編纂案に属する。
音韻変化 ○○○ 推測
編纂案は*tutuaの*uaが縮約して、上代日本語tutwo(つと)の語末woに至ったとする。
Frellesvig・Whitman2004の(5)は*kazu-ap- > kazwope-を*ua > woの例に挙げる。
ONCOJのtutwoはこの出力と整合する。ただし同論文§3.1は多くのwoを一次母音*oに遡らせ、
(3)には*uo > woもある。語末woだけから*uaや接尾辞*-aを一意に導くことはできない。
縮約則の先上代での適用と、この語の*tutuaという入力形の存在は別々に検証する必要がある。
尹2020の「MVR and monophthongization」は*u̯a > *ɔː > *ɔ > /o/を提案する。
同資料の「Ainu connection」はmayôp- < *maju̯ap- < *maju-ap-を挙げる。
尹のô・/o/は甲類oで、本項のwoに対応する。これは縮約の比較資料であり、
つとの*tutu-aや名詞化接尾辞*-aを尹に帰属させる根拠にはならない。