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増補 日本語の語源
阪倉篤義 ・2011
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- 書籍
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- 平凡社ライブラリー729
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- 平凡社
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isbn978-4-582-76729-2asinB07KQ5XYTBpages257- リンク
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この文献を引用する項目 216件
菅江真澄は信濃・越後・出羽・陸奥の女名あぐりを、 女子を多く産んで女子に飽くという意によるものとする。
阪倉篤義 2011 伝聞
そは、女子あまた産て女子に飽(秋田津軽詞に溢る事をあくるといへり)てふ意をもてしかいへり。
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- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- 補注*2、ダンプ頁356
阪倉はあぐりを、「あまる」「あふれる」の意で津軽方言に残る動詞あぐるの名詞形とみて、 「余り子」の意と解する。
阪倉篤義 2011 提唱
「あまる」「あふれる」の意の動詞として津軽方言に残っている「あぐる」の名詞形で、やはり「余り子」の意味であろうか。
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- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 補注*2、ダンプ頁357
鳴海助一はあぐりを一応「あふる」の転としながら、 「あく・あぐ」(飽)との関係も捨てきれないとする。
阪倉篤義 2011 伝聞
鳴海助一『津軽のことば』一には、この語を、いちおうは「あふる」の転としながら、なお、「あく・あぐ」(飽)との関係も捨てきれない、としている。
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- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- 補注*2、ダンプ頁357
阪倉は、アク(あける)を、閉じふさがっていたものがなくなり、からになって明るくなることを言う語とする。
阪倉篤義 2011 提唱
アク(あける)もまた、閉じふさがっていたものがなくなり、からになって、明るくなることを言う語であった。
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- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「「春」の語源」、ダンプ頁120
「新」義のaratasiからatarasiへの交替は平安時代に成立し、単純な音位転倒とする説明には疑問が残る。
阪倉篤義 2011 伝聞
はたしてこれの例と認めうるかどうか、はなはだ疑わしいものがふくまれている。
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- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- 補注13、ダンプ頁370
阪倉はあたらしを動詞あたる(当たる)から作られた形容詞とみる(ataru〜atara+si)。すぐれた本質を持つものが、それにふさわしい状態にあたっていない、またはあたらなくなろうとする、その不当さを訴える気持を原義とする。
阪倉篤義 2011 提唱
すなわち、アタル―アタラシ(ataru〜atara+si)という、これまでに見て来たのと同じ型に属する構成の語と考えられる。
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- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部6「愛惜の思い」の節「アタル―アタラシ」、ダンプ頁314
阪倉は『古事記』仁徳天皇条の歌謡「阿多良菅原」「阿多良清し女」のあたらを情態言とみ、名詞を直接に形容する用法から、「あたら盛りを過してむとか」(万葉集四三一八)のような副詞的用法へ傾いたとする。
阪倉篤義 2011 提唱
「あたら菅原」「あたら清し女」の「あたら」は
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- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部6「愛惜の思い」の節「アタル―アタラシ」、ダンプ頁317
阪倉は、上代のあたらしを「すばらしい」と訳せる肯定的な言い方とみる。常に老ゆ・過ぐ・絶つ・荒る・伐る・明くのような喪失を予想する文脈で用いられた。平安時代には理想にたがう事態そのものを「残念だ」「不本意だ」と否定的に言う用法(『源氏物語』明石・総角・御法)が一般化したとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
ところが、平安時代になると、理想にたがうもの、あるいは期待に反する事態そのことを、「あたらし」と形容し、あるいは、「あたらし」と叙述する用法も、しだいに一般的になる。
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- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部6「愛惜の思い」の節「マイナスの事態」、ダンプ頁330–331
「惜」義のあたらし(ONCOJ l007040、precious)と、「新」義のaratasiから平安時代に成立したatarasi(ara.yaml、c-aratasi-atarasi)は別の語である。阪倉1978は前者をあたるからの形成とし、後者の交替を音位転倒とする説に疑問を示す(阪倉1974)。
阪倉篤義 2011 提唱
すなわち、アタル―アタラシ(ataru〜atara+si)という、これまでに見て来たのと同じ型に属する構成の語と考えられる。
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- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部6「愛惜の思い」の節「アタル―アタラシ」、ダンプ頁314
佐竹昭広は古代日本語の色名アカ・クロ・シロ・アヲを、明―暗、顕―漠という光の二系列の用語の転用とする。
阪倉篤義 2011 伝聞
佐竹昭広氏は、古代日本語の色名としてアカ、クロ、シロ、アヲの四つをあげ、これは実は、明―暗、顕―漠という光の二系列の用語の転用であるという。
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- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- 補注*23、ダンプ頁379
阪倉はバ(場)を、もと地名語末のマと音韻交替の関係にあった語かとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
あるいは、バ(場)は、もと、このマと音韻交替の関係にあった語かもしれない。
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- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 補注*4、ダンプ頁360
阪倉はバをニハ(庭)の転じたものとする一般の説を伝える。
阪倉篤義 2011 伝聞
ただし、バは、ニハ(庭)の転じたものと、一般には説かれている。
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- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- 補注*4、ダンプ頁360
阪倉はハマ・ヌマ・シマ・クマに共通する第二音節マを地形を意味する要素とみ、 第一音節をそれぞれの地形の違いを示す要素とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
すると、この「マ」という要素が地形を意味し、「ハ」・「ヌ」・「シ」・「ク」などの要素が、それぞれの地形の違いを示すものであったのではないか。
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- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「なぜ「ヤマ」か」、ダンプ頁14
阪倉は、情態言ハラ(原)を、閉じふさがったものがなくなって開けた状態になっている場所とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
そういう状態になっている場所が、前述の情態言ハラ(原)であって、人体でも、前方から見て一番広く感じられる部分をハラ(腹)と呼ぶのである。
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- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「「春」の語源」、ダンプ頁119
阪倉は、ハラ(腹)を人体で前方から見て一番広く感じられる部分の名とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
人体でも、前方から見て一番広く感じられる部分をハラ(腹)と呼ぶのである。
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- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「「春」の語源」、ダンプ頁119
阪倉は、ハラをタヒラにヒラケたところとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
ハラとは、タヒラにヒラケたところでもあった。
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- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「「春」と「開く」」、ダンプ頁121
阪倉は、ハラ(原)を動詞ハル(開・墾)に対する名詞とし、ひらけた場所の意とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
ハラ(原)ハル(開・墾) ひらけた場所。後述参照。
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- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「情態言の単独用法」、ダンプ頁110
閉じふさがっていたものがなくなって、あたりが開けた状態になる。
阪倉篤義 2011 記述
一般に、閉じふさがっていたものがなくなって、あたりが開けた状態になることを言うのが、その本来の意義である。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「「春」の語源」、ダンプ頁118
阪倉は、名詞ハル(春)をハルという動詞概念がそのまま名詞化したものとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
そこで、たとえばハル(春)という名詞は、いわば、ハルという動詞概念が、そのまま名詞化したものであったと考えられる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「「春」の語源」、ダンプ頁118
阪倉は、ハル(晴る)の本来の意義を、閉じふさがっていたものがなくなってあたりが開けた状態になることとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
一般に、閉じふさがっていたものがなくなって、あたりが開けた状態になることを言うのが、その本来の意義である。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「「春」の語源」、ダンプ頁118
阪倉は、農耕生活者にとって閉じふさがれた冬が終わる季節を「万物が開けるとき」としてハルと呼んだとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
そういう季節を称して、「万物が開けるとき―ハル」と呼んだのである。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「「春」の語源」、ダンプ頁120
阪倉は、ハルをハラとの末尾母音交替のほかヒラとも関連づけて考える。
阪倉篤義 2011 提唱
このように考えると、ハルは、ハラとの末尾母音の交替が考えられるだけではなしに、また、ヒラとも関連づけて考えられそうである。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「「春」と「開く」」、ダンプ頁121
阪倉は、Far-u〜Far-a〜Far-iを共通語基Far-への接尾母音の交替、Fara〜Firaを語中母音の交替とし、語基Fa/ir-を想定する。
阪倉篤義 2011 提唱
先に考えてきたのが、Far-u〜Far-a〜Far-iというような、共通の語基Far-に接尾する母音の交替であったのに対して、これは、Fara〜Firaという、語中の母音の交替関係で、ここから析出される語基としては、Fa/ir-のようなものが想定されよう。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「「春」と「開く」」、ダンプ頁122
阪倉は、ハルとヒラクの意味の相違がaとiとの母音の差によって示されていたとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
ハルに、はなはだ近いが、そこに多少の意味の相違があり、その相違が、aとiとの母音の差によって示されていたのであろう。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「「春」と「開く」」、ダンプ頁122
阪倉はハル(春)を「ひらく」「ひらける」の意味の動詞「開ル、晴ル」から構成されて「万物のひらける時」を意味した名詞とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
たとえば、ハル(春)という名詞は、「ひらく」「ひらける」の意味の動詞「開ル、晴ル」から構成されて、「万物のひらける時」を意味したがごときである。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」の節「六 カミの成立」、ダンプ頁440
阪倉は、Far-u〜Far-a〜Far-iを共通語基Far-への接尾母音の交替、Fara〜Firaを語中母音の交替とし、語基Fa/ir-を想定する。
阪倉篤義 2011 提唱
先に考えてきたのが、Far-u〜Far-a〜Far-iというような、共通の語基Far-に接尾する母音の交替であったのに対して、これは、Fara〜Firaという、語中の母音の交替関係で、ここから析出される語基としては、Fa/ir-のようなものが想定されよう。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「「春」と「開く」」、ダンプ頁122
いか
阪倉篤義 2011 記述
右のように直接に動詞と対比することはむずかしいが、しかし、これらと同じ性質の語であったと推定されるイカ(厳)・イタ(甚)・サカ(逆)・タハ(戯)・モダ(黙)といった類の語基はさらに多数認められる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「情態言」、ダンプ頁108
阪倉は、マガツヒ・イカツチのような語から、マガ・イカが古代には名詞に近い性質を持っていたとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
マガとかイカとかいう情態言も、現代語にはその名詞的用法がないが、マガツヒ(災難をもたらす霊力)・イカツチ(猛々しい力をもつ霊力=雷)などの語があるところから見ると、古代には名詞に近い性質を持っていたことがわかる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「情態言の単独用法」、ダンプ頁109
いとし
阪倉篤義 2011 記述
これが短く発音されたのが「いとし」で
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第二部3「心のいたみ」の節「「いとし」の原形」、ダンプ頁219
阪倉はいたはし・いたはる・いたる・いたし・いたく・副詞いたの語基に、極限の状態を意味する「いた」を立てる。
阪倉篤義 2011 提唱
この「いたはし」「いたはる」などの語の語基として、「いた」という語が考えられる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部3「心のいたみ」の節「「いた」は極限を示す」、ダンプ頁203–204
阪倉は数詞いち(一)を、極限を意味するいたの母音交替形とみる(ita〜iti)。いちしろし・いちはやしのいちが程度のはなはだしさを言うことを傍証とする。
阪倉篤義 2011 提唱
数の最小のものを一(いち)というのも、これの母音が交替した形であろう(ita〜iti)。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部3「心のいたみ」の節「「いた」は極限を示す」、ダンプ頁204
阪倉は副詞いと(乙類のト。阪倉の表記でitö、ONCOJの転写でito)をいたの母音交替形とみ、a〜öの交替の例にタナぐもる―トノぐもる、タナびく―トノびく、きカす―きコす、よサづら―よソづら、ナす―ノす、サヤぐ―ソヨぐを挙げる。いたは動詞も形容詞も修飾した。いとは形容詞の修飾に限られ、動詞の修飾にはいたくが用いられた。
阪倉篤義 2011 提唱
やはり「いた」の母音交替した形と考えられるもので、その「と」は、いわゆる乙類の仮名で書かれた。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部3「心のいたみ」の節「「いた」は極限を示す」、ダンプ頁206
阪倉は副詞いと(乙類のト。阪倉の表記でitö、ONCOJの転写でito)をいたの母音交替形とみ、a〜öの交替の例にタナぐもる―トノぐもる、タナびく―トノびく、きカす―きコす、よサづら―よソづら、ナす―ノす、サヤぐ―ソヨぐを挙げる。いたは動詞も形容詞も修飾した。いとは形容詞の修飾に限られ、動詞の修飾にはいたくが用いられた。
阪倉篤義 2011 記述
こういうa〜öの交替は、タナぐもる――トノぐもる(一面に曇る)
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第二部3「心のいたみ」の節「「いた」は極限を示す」、ダンプ頁206
阪倉は万葉集の副詞いとに、乙類のトで書く7首(伊登・伊等・五十殿。ONCOJの転写ではito)と甲類のトで書く3首(伊刀。転写itwo)を分け、前者は基準を越える程度のはなはだしさ(客観性)、後者は基準を置かない主観的なはなはだしさを言うとする。「いとのきて」4例はすべて乙類で書かれる。
阪倉篤義 2011 提唱
やはり「イと」と「イト」との間には、右のような意味の区別があったと考えてよいと思われる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部4「〈ことざま〉と〈こころざま〉」の節「主観性と客観性」、ダンプ頁233
阪倉はいたはしの構成を、語基いたに接尾語はし(うるはし・にぎはし・いそがはし・いたづかはし・まぎらはし・くもらはし・につかはしのはし)が接したものと説明する。動詞いたふからの形成(itaFu>itaFa+si)は、いたふの用例が見当たらないため採らない。
阪倉篤義 2011 提唱
その構成は、「いた」という語基に、接尾語「はし」
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部3「心のいたみ」の節「「いたはし」と「いとほし」」、ダンプ頁213
阪倉は、いたといとの交替関係から、動詞いとふ(厭ふ)を想定上の動詞いたふの母音交替形と関係づける(itaFu〜itöFu)。いたむは自動詞的である。いとふは他動詞的で、心にそまないものを厭い避けることを言う。
阪倉篤義 2011 提唱
この「いたふ」と関係づけ得る語として「いとふ」という動詞が考えられる(itaFu〜itöFu)。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部3「心のいたみ」の節「「いたはし」と「いとほし」」、ダンプ頁214
阪倉はいとはしを動詞いとふから作られた形容詞とみる(itöFu>itöFa+si)。心に苦痛を感じるさまが原義で、そこから「厭だ、避けたい」になる。
阪倉篤義 2011 提唱
これからできた形容詞が「いとはし」で(itöFu>itöFa+si)
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部3「心のいたみ」の節「「いたはし」と「いとほし」」、ダンプ頁214
阪倉はいとほしを、いとはし(itöFasi)のFaが先行するi・öの狭い母音に引かれてFöに転じた形とみる。したがって原義は同じく「厭な気持がする」で、『源氏物語』帚木・『枕草子』の例をその義で読む。
阪倉篤義 2011 提唱
itöFasiのFaが、前に i・öという狭い母音が続くのに引かれてFöに転じた形が、このitöFösiであったと思われる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部3「心のいたみ」の節「「いたはし」と「いとほし」」、ダンプ頁214
阪倉はいとしを、いとほし>いとおし(itowosi)>いとうし(itousi)>イトーシ(ito:si)の変化を経て短く発音された形とみる。『閑吟集』のいとおし・いとうし、天草本『エソポ物語』のitôxi、『日葡辞書』のItoxijを段階の証とする。
阪倉篤義 2011 提唱
これが短く発音されたのが「いとし」で
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部3「心のいたみ」の節「「いとし」の原形」、ダンプ頁219
阪倉はいたましを動詞いたむから作られた形容詞とみる(itamu>itama+si)。いたむは心に苦痛を感じることを意味し、『徒然草』では「困る、迷惑する」の義に用いられる。
阪倉篤義 2011 記述
この「いたむ」という動詞を基に、前述のような方法で「いたまし」という形容詞が構成された(itamu>itama+si)。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第二部3「心のいたみ」の節「「いたし」と「いたむ」」、ダンプ頁211
露出形kamwiは、被覆形kamuに要素iが付いた形である。
阪倉篤義 2011 提唱
kamu+i>kamïのようにして成立したのが、問題のカミという語であると考えられる
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」六「カミの成立」、ダンプ頁445
かみ【神】とかみ【上】は別の語である。神の語末は乙類のミ、上の語末は甲類のミにあたる。
阪倉篤義 2011 記述
奈良時代の文献に記載された日本語において、「神」と「上」とが形態的に異なる語であったことは、もはや疑う余地がない。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」四「神の語源説」、ダンプ頁426–427
阪倉は「隠れる」を意味する四段動詞クムの存在を、『古事記』神代の久美度(クミド、隠み所)と『新撰字鏡』の隩の訓久牟之良(クムシラ)から推定する。
阪倉篤義 2011 提唱
動詞クムの存在は、
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」五「クマ――隠れたるもの」、ダンプ頁434
阪倉はハマ・ヌマ・シマ・クマに共通する第二音節マを地形を意味する要素とみ、 第一音節クを地形の違いを示す要素とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
すると、この「マ」という要素が地形を意味し、「ハ」・「ヌ」・「シ」・「ク」などの要素が、それぞれの地形の違いを示すものであったのではないか。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「なぜ「ヤマ」か」、ダンプ頁14
阪倉はクマ(隈)を動詞クムの語基にaを接尾した情態言(kumu―kuma)とみ、「隠れたる情態」を意味したとする。単独では入り組んで見えにくい場所、複合語前項(クマト・クマミ)では修飾的に用いられる。
阪倉篤義 2011 提唱
このクマという名詞は、思うに、もとクムという動詞から派生されたものであった。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」五「クマ――隠れたるもの」、ダンプ頁434
阪倉はクマ(隈)を動詞クムの語基にaを接尾した情態言(kumu―kuma)とみ、「隠れたる情態」を意味したとする。単独では入り組んで見えにくい場所、複合語前項(クマト・クマミ)では修飾的に用いられる。
阪倉篤義 2011 提唱
以上に問題にして来たクマも、「隠れる」の意味の動詞クムから、同様に、kumu――kumaのようにして派生された情態言で「隠れたる情態」を意味した。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」五「クマ――隠れたるもの」、ダンプ頁436
阪倉は、地名カムシロ・クマシロ(神代・神稲)、クマシネ(糈米、神に供する精米)、『持統紀』古訓の奠(クマ)、『倭姫世記』のカケクマ、後世の供米から、神を意味するクマがカムに並んで存在したと推定し、それをクマ(隈)と同じ情態言「隠れたるもの」とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
このようにして、カムに並んでクマという語が、神を意味するものとして存在したことが推定される。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」五「クマ――隠れたるもの」、ダンプ頁430–431
阪倉は、地名カムシロ・クマシロ(神代・神稲)、クマシネ(糈米、神に供する精米)、『持統紀』古訓の奠(クマ)、『倭姫世記』のカケクマ、後世の供米から、神を意味するクマがカムに並んで存在したと推定し、それをクマ(隈)と同じ情態言「隠れたるもの」とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
「神」の意を有したと考えられるクマは、こうして成立した、同じ情態言であって、「隠れたるもの」というのが、神の本来の意味であったと考えられる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」五「クマ――隠れたるもの」、ダンプ頁437
阪倉はクモ(雲)をクムのu〜o母音交替形とみ、空の蔭になって見えない部分を言う語とする。「クマなき月影」は「クモりなき月影」にあたる。
阪倉篤義 2011 提唱
そして、恐らくは、このkumuの母音交替形kumoが、「雲」を意味する語として用いられた。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」六「カミの成立」、ダンプ頁441
阪倉はクモ(雲)をクムのu〜o母音交替形とみ、空の蔭になって見えない部分を言う語とする。「クマなき月影」は「クモりなき月影」にあたる。
阪倉篤義 2011 提唱
「クマなき月影」とは、「クモりなき月影」である。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」六「カミの成立」、ダンプ頁442
阪倉は神を意味するカムをクムのu〜a母音交替形とみ(kumu―kamu)、「奥まった所に身を隠しているもの」を本来の意味とする。カムはu母音接尾で成立した古い名詞で、カムシロ・カムナガラ・カムサブのような複合語に保存されたとする。同じ形は四段動詞の終止形でもある。
阪倉篤義 2011 提唱
同様にして、右に問題にしたクムと、kumu―kamuという母音交替の関係にあると見なし得るのが、神を意味するカムである。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」六「カミの成立」、ダンプ頁444
阪倉は動詞カムのa〜ö母音交替形にkömu(入りくむ・つつみこむ)を置き、kömöru(籠る)をその派生形とする。
阪倉篤義 2011 提唱
右のカムという形は、それ自身、また動詞の終止形でもある。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」六「カミの成立」、ダンプ頁445
阪倉は上のカミ(kami)を、動詞カムの語基kam-にi母音を接合した居体言とみ、本来はシモに対して一連のものの始まる所・本源を言い、垂直方向の高低とは概念化が異なるとする。カハカミ・ミナカミの用法を中心に置き、上方・高所の意はカハカミが高所にあることとウヘとの混同から後に生じたとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
その語基にi母音を接合するという新しい方式(前述)によって成立した名詞(一般的な言い方をすれば、居体言)としてkami(カミ・上)という語を考えることができる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」七「カミ(神)とカミ(上)」、ダンプ頁447
阪倉は上のカミ(kami)を、動詞カムの語基kam-にi母音を接合した居体言とみ、本来はシモに対して一連のものの始まる所・本源を言い、垂直方向の高低とは概念化が異なるとする。カハカミ・ミナカミの用法を中心に置き、上方・高所の意はカハカミが高所にあることとウヘとの混同から後に生じたとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
要するに、カミとシモとは本来、垂直方向における高低・上下とは、概念化のしかたが異なるのであって、本(始源)からの距離の大小を言うものであったと思われる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」二「語源と思考法」、ダンプ頁411
阪倉はウナカミ(宇奈可美、海上)を「海のほとり」「海より上手」とみる注釈書・古語辞典の解釈を退け、上の本源義から「海の源、海の、そこから起こるところ」と解く。下総・上総の海上郡の位置と、万葉集八一三の子負原の修飾をその根拠に挙げ、詳細を『万葉』110号の論文「海上」に委ねる。
阪倉篤義 2011 提唱
そうではなくて、海の源、海の、そこから起こるところを意味したのである。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」二「語源と思考法」、ダンプ頁412
阪倉は、神のkamï(カム+i)と上のkami(kam-+i)が意味の分化に伴って語形を分けた同源の語である可能性を、上代の形態の別を認めたうえで十分に残るとみる。『播磨風土記』揖保郡の上岡の里の地名起源説話が「神阜」の命名で「上岡」を説くことを、両語の語源的結びつきが感じられていた証に挙げる。
阪倉篤義 2011 提唱
もとは同源の語であったとすることは、以上のような事情を考えることによって、なお十分可能であると思われる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」七「カミ(神)とカミ(上)」、ダンプ頁450
阪倉は、神のkamï(カム+i)と上のkami(kam-+i)が意味の分化に伴って語形を分けた同源の語である可能性を、上代の形態の別を認めたうえで十分に残るとみる。『播磨風土記』揖保郡の上岡の里の地名起源説話が「神阜」の命名で「上岡」を説くことを、両語の語源的結びつきが感じられていた証に挙げる。
阪倉篤義 2011 提唱
「神阜」と号けた事情を説いて「上岡」の名の由来としたのは、なお、「神」と「上」との間に語源的結びつきを感じ得たからに外ならない。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」七「カミ(神)とカミ(上)」、ダンプ頁451
阪倉は形容詞かなしを動詞かぬ(兼ぬ)から作られた語とみる(kanu〜kana+si)。
阪倉篤義 2011 提唱
このように考えると、「かなし」という語の語源は、「かぬ(兼ぬ)」という動詞に求めることができそうである。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「かなし」の語源、ダンプ頁281
阪倉は形容詞かなしを動詞かぬ(兼ぬ)から作られた語とみる(kanu〜kana+si)。
阪倉篤義 2011 提唱
このような意味の「かぬ」を基にして、九七―九八ページに説いたような方法で構成されたのが、「かなし」という形容詞であったと考えられる(kanu〜kana+si)。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「かなし」の語源、ダンプ頁282
阪倉は万葉集の悲哀義(死をいたむ・離別・旅の愁い・無常孤独)を、求めるものが今ここに無いことから生じる空虚・孤独の思いに総括し、これをかなしの基本的な意義とする。
阪倉篤義 2011 提唱
要するに、「かなし」という情緒は、求めるものが今ここに欠如して、無いことから生じる、空虚・孤独の思いを言うものであった。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「無常孤独の思い」、ダンプ頁266
阪倉は万葉集のかなしを100例と数え、悲・哀・憐で書く43例と仮名書き22例の計65例を悲哀義、仮名書き35例を愛情義とする。
阪倉篤義 2011 記述
『万葉集』中、「かなし」という語は全部でちょうど一〇〇例用いられている。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「無常孤独の思い」、ダンプ頁264
阪倉は万葉集のかなしを100例と数え、悲・哀・憐で書く43例と仮名書き22例の計65例を悲哀義、仮名書き35例を愛情義とする。
阪倉篤義 2011 記述
「愛しい」の意味の「かなし」という語の例は『万葉集』中に全部で三五例あって、すべて仮名書きされていることになるが
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「愛し」の意味の「かなし」、ダンプ頁269
阪倉は、愛情義のかなしが万葉集では巻十四の東歌と巻二十の防人歌に集中し、それ以外の3首のうち2首は悲哀義とも読めるとして、この義を東国方言または俗語とみる。家持の巻十八・四一〇六と巻二十・四四〇八は俗語を歌語に採った例と説明する。
阪倉篤義 2011 提唱
すなわち、「かなし」という語を「愛しい」の意味に用いるのは、少なくとも『万葉集』では、一般の歌語ではなくて、東歌や防人歌にだけ用いられる東国方言であったらしい。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「東国方言として」、ダンプ頁274
阪倉は悲哀義と愛情義のかなしを一つの語の二面とみる。共に居たい相手に離れてある孤独と、その相手を求める激しい愛情がひと続きにあることを、巻二十・四四三二の2例の並存から読む。
阪倉篤義 2011 提唱
しかしながら、この二つの「かなし」が、別の語でないこともまた、当然考えられる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「空虚の思い」、ダンプ頁277
阪倉は、かなしが中世以降「みじめで情ない」「かなわない」を経て貧しさを言うようになった経緯を、欠乏感を言う語源的な意味からの展開とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
「貧し」の意を表わして〈ことざま〉的にも用いられるにいたった経緯がたどれるであろう。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「男の「かなしさ」」、ダンプ頁295
阪倉は、かなしが中世以降「みじめで情ない」「かなわない」を経て貧しさを言うようになった経緯を、欠乏感を言う語源的な意味からの展開とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
「かなし」という語によって「貧しさ」が意味されるようになったのは、実はこの語の、欠乏感をいう語源的な意味からの展開であったということである。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「男の「かなしさ」」、ダンプ頁297
阪倉はゆかしを動詞ゆく(行く)から作られた形容詞とみる(yuku〜yuka+si)。「そこへ行きたい気がする」が「見たい・知りたい」に転じたとする。
阪倉篤義 2011 記述
「ゆかし」は、「ゆく(行く)」という動詞を基にして構成された形容詞であった(yuku〜yuka+si)。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「行く」→「ゆかし」、ダンプ頁284
以前から。前もって。
阪倉篤義 2011 記述
「かねて」というのは、一語化して、「以前から」とか「前もって」とかの意味の副詞に用いられるようになったし
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「「かなし」の語源」、ダンプ頁282
阪倉はかぬの連用形を含むかねてが一語化して、以前から・前もっての意の副詞となったとする。
阪倉篤義 2011 記述
「かねて」というのは、一語化して、「以前から」とか「前もって」とかの意味の副詞に用いられるようになったし
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「「かなし」の語源」、ダンプ頁282
ある一点を基準に、ほかの点にわたって併せる。
阪倉篤義 2011 記述
ある一点を基準にして、それから他の点にわたって、これを併せることを意味する語であった。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「かなし」の語源、ダンプ頁281
*kan-をかぬ・かなふに共通する語基として置く。
阪倉篤義 2011 支持
このような意味の「かぬ」を基にして、九七―九八ページに説いたような方法で構成されたのが、「かなし」という形容詞であったと考えられる(kanu〜kana+si)。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 支持(別の説を支持します)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「かなし」の語源、ダンプ頁282
*kan-をかぬ・かなふに共通する語基として置く。
阪倉篤義 2011 支持
この「かなわない」という言い方における「かなふ(適う・叶う)」という動詞も、やはり先の「兼ぬ」に、動詞構成の接尾語「ふ」の接して構成された語であろう。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 支持(別の説を支持します)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「男の「かなしさ」」、ダンプ頁293
上代日本語かぬの終止形を*kan-uと分析する。
阪倉篤義 2011 支持
このような意味の「かぬ」を基にして、九七―九八ページに説いたような方法で構成されたのが、「かなし」という形容詞であったと考えられる(kanu〜kana+si)。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 支持(別の説を支持します)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「かなし」の語源、ダンプ頁282
阪倉はかなふ(適う・叶う)を、兼ぬに動詞構成の接尾語ふが接した語とし、「含み併せる」から「適合する」「可能である」「うまく行く」へ転じたとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
この「かなわない」という言い方における「かなふ(適う・叶う)」という動詞も、やはり先の「兼ぬ」に、動詞構成の接尾語「ふ」の接して構成された語であろう。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「男の「かなしさ」」、ダンプ頁293
阪倉は、現在から将来を見込んで予定するかぬの用法を、ある一点から他の点にわたって併せる意味の一つの場合とする。
阪倉篤義 2011 提唱
現在から将来を見込んで予定するような意味を表わすのも、その一つの場合で
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「かなし」の語源、ダンプ頁282
阪倉はかぬの名詞形かねが聟がね・后がねのように予定者を表す接尾語に用いられたとする。
阪倉篤義 2011 記述
「かね」という名詞形は、「聟がね」「后がね」のように、「〜予定者」の意味の接尾語に用いられた。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「かなし」の語源、ダンプ頁282
阪倉はkumuの母音交替形kumoが「雲」を意味する語として用いられたとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
そして、恐らくは、このkumuの母音交替形kumoが、「雲」を意味する語として用いられた。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 「語源――「神」の語源を中心に(増補)」の節「六 カミの成立」、ダンプ頁441
阪倉はクモ(雲)を、空の蔭になって見えないクマの部分を呼んだ語とする。
阪倉篤義 2011 提唱
すなわち、クモ(雲)というのは、「雲隠る」の語があるように、空の、蔭になって見えないクマの部分をそう呼んだのである。「クマなき月影」とは、「クモりなき月影」である。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 「語源――「神」の語源を中心に(増補)」の節「六 カミの成立」、ダンプ頁442
佐竹昭広は古代日本語の色名アカ・クロ・シロ・アヲを、明―暗、顕―漠という光の二系列の用語の転用とする。
阪倉篤義 2011 伝聞
佐竹昭広氏は、古代日本語の色名としてアカ、クロ、シロ、アヲの四つをあげ、これは実は、明―暗、顕―漠という光の二系列の用語の転用であるという。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- 補注*23、ダンプ頁379
地形や場所を意味するとされる要素。
阪倉篤義 2011 記述
語末にマを有する地名が、多数に認められる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 補注*4、ダンプ頁359
阪倉はハマ・ヌマ・シマ・クマに共通する第二音節マを地形を意味する要素とみ、 ヤマを「ヤという名で呼ばれるマ(地形)」と分析する。
阪倉篤義 2011 提唱
すると、この「マ」という要素が地形を意味し、「ハ」・「ヌ」・「シ」・「ク」などの要素が、それぞれの地形の違いを示すものであったのではないか。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「なぜ「ヤマ」か」、ダンプ頁14
阪倉はハマ・ヌマ・シマ・クマに共通する第二音節マを地形を意味する要素とみ、 ヤマを「ヤという名で呼ばれるマ(地形)」と分析する。
阪倉篤義 2011 提唱
もしそうだとすれば、ヤマもまた、「ヤという名で呼ばれるマ(地形)」という意味でつけられた名ではなかったか、というような推定を下すことはできる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「なぜ「ヤマ」か」、ダンプ頁14
阪倉は語末にマを有する地名が多数に認められるとする。
阪倉篤義 2011 記述
語末にマを有する地名が、多数に認められる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 補注*4、ダンプ頁359
阪倉は沖縄の地名に語末のマが殊に多いとする。
阪倉篤義 2011 記述
沖縄の地名には、ギマ(儀間)、グスクマ(城間)、オクマ(奥間)、イケマ(池間)、タラマ(多良間)、ハトマ(鳩間)、ハテルマ(波照間)等々、殊に多い。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 補注*4、ダンプ頁359
阪倉は地名語末のマを、琉球方言の場所代名詞kuma・?Nma・?amaのmaと 関係のある要素とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
このマは、おそらく、琉球方言の場所代名詞kuma(ここ)、?Nma(そこ)、?ama(あそこ)などのmaと関係のある要素であろう。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 補注*4、ダンプ頁359
阪倉の情態言muraに含まれるmur-を、語義「群がる・集まる」とmura・muru・mureの 派生系列の一致にもとづき、尹2020の再建語根*murと同定する。
阪倉篤義 2011 支持
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 支持(別の説を支持します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「語基の設定」「情態言」
阪倉は、情態言ムラが「ムレているもの」を意味する名詞「村」としても用いられ、もと家の群れているさまを意味したとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
すなわち、「村」という語で、これはもと、家の群れているさまを意味したのであった(「家むら」という語もある)。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「情態言の単独用法」、ダンプ頁109
阪倉はmurasakiの第一要素muraを「群がっているさま」を表す語基(情態言)とし、 動詞muru「群る」と対比する。
阪倉篤義 2011 提唱
ムラサキ(紫)のムラも、動詞ムル(群る)と対比して考えられる
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「情態言」、ダンプ頁105
阪倉は色名の紫を、紫草の根の色素で染めたことからその草の名むらさきを染色名に転用したものとする。
阪倉篤義 2011 記述
紫色はもと紫草の根に含まれている色素によって染めたので、その草の名「むらさき」を、そのまま、それによる染色名に転用したのである。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「むらさき」の語源」、ダンプ頁026
阪倉は醤油をむらさきと言うのを女房詞とし、その色が紫であったことによる命名とする。
阪倉篤義 2011 記述
たとえば、醤油のことを「むらさき」と言うが、これは、もと女房詞(室町時代ごろ、御所に仕える女房たちの使いはじめた隠語)で、その色が紫であったことからの命名であることは言うまでもない。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「むらさき」の語源」、ダンプ頁026
草のむらさきを「群ら咲き」すなわち花が群れて咲くことによる名とする説明を、阪倉は正否を保留して伝える。
阪倉篤義 2011 伝聞
その点は、この草は花が群れて咲くから「群ら咲き」と言ったのだ、という説明が行なわれている。果たしてこれが正しいかどうかはわからないが
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「むらさき」の語源」、ダンプ頁027
阪倉はムラサキのムラを動詞ムル(群る)に対比される語基とし、これが動詞「咲ク」と複合したものとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
前に述べたムラサキ(紫)のムラも、動詞ムル(群る)と対比して考えられるように、やはりこの種の語基で、これは動詞「咲ク」と複合している。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「情態言」、ダンプ頁105
若い女。少女。
阪倉篤義 2011 提唱
「をみな」というのは、元来は少女を意味する語であったらしい。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁035
若い男。
阪倉篤義 2011 提唱
もと、結婚適齢期の男女を意味する語であったようだ。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁037
若い女。
阪倉篤義 2011 提唱
もと、結婚適齢期の男女を意味する語であったようだ。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁037
処女。
阪倉篤義 2011 記述
「未通女」などと表記されて処女を言っており
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁037
男性一般。
阪倉篤義 2011 記述
男性一般を言うようになった。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁039~040
情人。恋人。
阪倉篤義 2011 記述
「をとこ」が特に情人の意味に用いられる
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁039~040
女性一般。
阪倉篤義 2011 記述
女性一般を指して言うようになる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁039~040
年老いた女。
阪倉篤義 2011 記述
「おきな(翁)・おうな(嫗)」と対にして言われるように、老女の意味である。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁034
阪倉は少年をぐなと少女をみなを対に置き、第二音節のぐを男性、みを女性を表わす要素とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
「ぐ」が男性を、「み」が女性を表わしている。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁035
阪倉はおきなとおみなを対に置き、第二音節のきを男性、みを女性を表わす要素とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
「き」が男性を表わし、「み」が女性を表わしているのに並行する。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁035
阪倉はおきな・をぐな・おみな・をみなを、年長/年少と男性/女性の二軸で構成された四語の体系とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
以上の四語は、きわめて論理的な関係をもって構成されていると認められる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁036
阪倉は男神イザナキと女神イザナミのき/みを、おきなとおみなの性を表わす要素に並行する関係とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
イザナキが男神、イザナミが女神であるのも同様の関係である。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁035~036
阪倉はをとこ・をとめを一対に置き、共通要素をとに続くこを男性、めを女性を表わす要素とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
これは、「こ」と「め」で両性が区別されている
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁037
阪倉はをとこ・をとめの共通要素をとを、若返る意の動詞をつに関係づける。
阪倉篤義 2011 提唱
「をつ」に関係づけうる語と考えられる(wötu〜wötö)。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁037
阪倉の分析では、をとこは若さに関わるをとと男性を表わすこから構成される。
阪倉篤義 2011 提唱
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁037
阪倉の分析では、をとめは若さに関わるをとと女性を表わすめから構成される。
阪倉篤義 2011 提唱
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁037
阪倉はをとこ・をとめを、若々しい活力を備えた結婚適齢期の男女を指した語とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
もと、結婚適齢期の男女を意味する語であったようだ。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁037
阪倉は、処女を指すをとめと少女を指すをみなを元来は別の語とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
「をみな」とは別であった。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁037
『古事記』応神天皇条の歌謡は、同じ女性を前半で袁登売、後半で袁美那と呼ぶ。
阪倉篤義 2011 記述
同一の女性を、ヲトメともヲミナとも言っている
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁038
阪倉は年齢範囲の近いをとめとをみなが混同され、その結果をとこ・をみなの新しい対が成立したとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
両者は、年齢の似よりもあって、いつのまにか混同されてしまったらしい。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁038
万葉集二〇・四三一七の乎等古乎美奈は、をとこ・をみなを宮仕えの男女の一対として並べる全表音例である。
阪倉篤義 2011 記述
乎等古乎美奈の花にほひ見に
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁038~039
阪倉はをのこを男の子・従僕・軍卒など比較的身分の低い男性、をとこを結婚の相手として捉えられる男性を指した語として区別する。
阪倉篤義 2011 提唱
従僕とか軍卒とかの、あまり身分の高くない男性を言った
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁039
上代のをとこは、後代のおとこへ続く。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁039~040
阪倉はおんなをwomina>womna>wonna>onnaの変化の結果とする。
阪倉篤義 2011 記述
womina>womna>wonna>onna
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁034
阪倉はおみながomina>omna>ouna>o:naと変化して、おうなになったとする。
阪倉篤義 2011 提唱
omina>omna>ouna>o:na
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁034
阪倉は結婚相手としての男性を指したをとこの適用範囲が、男性一般へ広がったとする。
阪倉篤義 2011 提唱
やがてその適用の範囲が広がって、男性一般を言うようになった。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁039~040
阪倉はをとこの一般化に伴い、対語のをみなから続くおんなも女性一般を指すようになったとする。
阪倉篤義 2011 提唱
女性一般を指して言うようになる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁039~040
阪倉は後世のをとこ「情人」を、結婚相手として考えられる男性という古い意味の名残りとする。
阪倉篤義 2011 提唱
「をとこ」が特に情人の意味に用いられるのは、その名残りである
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「おんな」の語源」、ダンプ頁039~040
阪倉は、『源氏物語』五十四帖に「涙」「涙ぐむ」が二二五回ほど現われるとする。
阪倉篤義 2011 記述
『源氏物語』五十四帖に、「泣く」ということばは、実に三七〇回も出てくるし、「涙」とか「涙ぐむ」とかいう語も二二五回ぐらい用いられている。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第二部1「日本語の感情表現」の節「よく泣いた日本人」、ダンプ頁133
阪倉は、ナハ(縄)を動詞ナフ(綯)に対する名詞とし、藁をなって作ったものの意とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
ナハ(縄)ナフ(綯) 藁をなって作ったものの意。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「情態言の単独用法」、ダンプ頁110
阪倉はハマ・ヌマ・シマ・クマに共通する第二音節マを地形を意味する要素とみ、 第一音節をそれぞれの地形の違いを示す要素とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
すると、この「マ」という要素が地形を意味し、「ハ」・「ヌ」・「シ」・「ク」などの要素が、それぞれの地形の違いを示すものであったのではないか。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「なぜ「ヤマ」か」、ダンプ頁14
泉井久之助は上代日本語の八母音をA・B両域に分け、A・B間の交替を逓音と名づけて意義的範疇を 異にするものが多いとし、Fï(火)とFi(日)を同一の/FI/の古いA・B領域による対立的分化の 結果とする。
阪倉篤義 2011 支持
たとえば、Fï(火)とFi(日)の二つも、本来別語(別根の語)ではなく、同一の/FI/の古いA・B領域による対立的分化の結果と思われる、と言い、これに対して、A内・B内それぞれの交替を「迭音」と呼んで、これには原則として意義的範疇の対立がない、と述べた。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 支持(別の説を支持します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」の節「六 カミの成立」、ダンプ頁443
阪倉は冷たいさまを表す語基ひやを動詞「冷ゆ」に関連づける。
阪倉篤義 2011 提唱
「ひや」は「冷ゆ」と
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第3章「他の語との関係の探究」、p.100(ダンプ頁100)
阪倉は語基ひやが接尾語スを取り、動詞ひやすの語幹になると分析する。
阪倉篤義 2011 提唱
チラ・タラ・カラ・ヒヤ・コガのように、接尾語スをとって動詞チラス・タラス・カラス・ヒヤス・コガスの語幹となり
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「情態言」、ダンプ頁104
泉井久之助は上代日本語の八母音をA・B両域に分け、A・B間の交替を逓音と名づけて意義的範疇を 異にするものが多いとし、Fï(火)とFi(日)を同一の/FI/の古いA・B領域による対立的分化の 結果とする。
阪倉篤義 2011 支持
たとえば、Fï(火)とFi(日)の二つも、本来別語(別根の語)ではなく、同一の/FI/の古いA・B領域による対立的分化の結果と思われる、と言い、これに対して、A内・B内それぞれの交替を「迭音」と呼んで、これには原則として意義的範疇の対立がない、と述べた。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 支持(別の説を支持します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」の節「六 カミの成立」、ダンプ頁443
鳥の頭上の冠状の部分。
阪倉篤義 2011 記述
「さか」は、それ自身でも毛冠を意味する語であった。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「語源の解釈と類推」の節「合理的関係づけ」、ダンプ頁53
阪倉篤義はとさかのさかを、それ自身で毛冠を意味する語とする。
阪倉篤義 2011 記述
元来、「とさか」の「と」は、鳥屋・鳥狩などの語があるように、鳥の意で、「さか」は、それ自身でも毛冠を意味する語であった。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「語源の解釈と類推」の節「合理的関係づけ」、ダンプ頁53
阪倉篤義はさかを咲く・盛えると関係のある語とみて、華やかに目立つところからの名とする。
阪倉篤義 2011 提唱
おそらく、「咲く」「盛える」などと関係のある語で、華やかに目立つところからの名であったろう。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部2「語源の解釈と類推」の節「合理的関係づけ」、ダンプ頁53
阪倉はハマ・ヌマ・シマ・クマに共通する第二音節マを地形を意味する要素とみ、 第一音節をそれぞれの地形の違いを示す要素とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
すると、この「マ」という要素が地形を意味し、「ハ」・「ヌ」・「シ」・「ク」などの要素が、それぞれの地形の違いを示すものであったのではないか。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「なぜ「ヤマ」か」、ダンプ頁14
名詞*sirosiを動詞語基*siros-に名詞化要素*-iが付いた形と分析する仮説を置く。
阪倉篤義 2011 支持
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 支持(別の説を支持します)
- 箇所
- 第一部3「名詞化するi」、ダンプ頁111–112;増補「カミの成立」、ダンプ頁445
そで
阪倉篤義 2011 提唱
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」、「しほ」と「しをる」の節。袖をしぼるの説明
阪倉は語基たまを動詞「溜む」に関連づける。ONCOJの四段tamarは比較対象にとどめる。
阪倉篤義 2011 提唱
「あさ」は「浅す・褪す(浅くなる)」と、「うか」は「浮く」と、「たま」は「溜む」と、「こも」は「籠む」と、「ひや」は「冷ゆ」と、「こが」は「焦ぐ(こげる)」と、
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「他の語との関係の探究」、ダンプ頁100
阪倉は、タマ(玉)を動詞タム(廻)に対する名詞とし、ぐるっと円くなっているものの意とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
タマ(玉)タム(廻) ぐるっと円くなっているものの意。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「情態言の単独用法」、ダンプ頁110
血などの垂れるさま。
阪倉篤義 2011 記述
「たらり」「たらたら」は、血などの垂れるさま
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「他の語との関係の探究」、ダンプ頁100
阪倉は、語基たらを動詞「垂る」に関連する語とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
「すら」は「擦る」と、「ちら」は「散る」と、「ふら」は「振る」と、「ゆら」は「揺る」と、「たら」は「垂る」と、「から」は「涸る」と、
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「他の語との関係の探究」、ダンプ頁99
阪倉はとほしろしについて橋本進吉の「『とほしろし』考」「万葉集の語釈と漢文の古訓点」の二論を参照文献に挙げる。
阪倉篤義 2011 伝聞
橋本進吉「『とほしろし』考」「万葉集の語釈と漢文の古訓点」。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- 補注*38、ダンプ頁386
阪倉篤義はとさかを、鳥屋・鳥狩と同じ鳥の意のとと、独立して冠を指すさかの複合とみる。
阪倉篤義 2011 記述
元来、「とさか」の「と」は、鳥屋・鳥狩などの語があるように、鳥の意で、「さか」は、それ自身でも毛冠を意味する語であった。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「語源の解釈と類推」の節「合理的関係づけ」、ダンプ頁53
阪倉篤義は、とさかを鳥がかぶっている笠と解釈し直した結果生まれた転倒形がとかさであるとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
ところが、こういう語源が忘れられるとともに、この「とさか」という語を、「鳥がかぶっている笠」と解釈し直した結果として生まれたのが、「とかさ」という転倒形であったと思われる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部2「語源の解釈と類推」の節「合理的関係づけ」、ダンプ頁53
阪倉が有坂秀世のガ行鼻音論に関連づけるツムギは、鶫の語音転倒形である。紬への言及としては扱えない。
阪倉篤義 2011 伝聞
このうち、ツモゴリ、ツムギについては、ガ行鼻音の問題として、有坂秀世博士(「古音推定の資料としての音相通例の価値」『国語音韻史の研究』所収)に言及がある。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- 補注*13、ダンプ頁370
阪倉が有坂秀世のガ行鼻音論に関連づけるツムギは、鶫の語音転倒形である。紬への言及としては扱えない。
阪倉篤義 2011 記述
つぐみ(鶫)ツムギ
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第2章「文福ちゃまが」、ダンプ頁47
阪倉は、ツラ(列)を動詞ツル(連)に対する名詞とし、つらなっているもの、そのかたちの意とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
ツラ(列)ツル(連) つらなっているもの、そのかたちの意。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「情態言の単独用法」、ダンプ頁110
つつしむ
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第二部2「「やさしさ」の両面」の節「「瘦す」「やさし」」、ダンプ頁176–177
藁で包んだ物。
阪倉篤義 2011 記述
藁で包んだ物を意味している
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第二部2「「やさしさ」の両面」の節「「瘦す」「やさし」」、ダンプ頁177
阪倉は「家づと」のつとを語基つつの名詞形とし、藁で包んだ物を意味するとする。
阪倉篤義 2011 提唱
土産物を「家づと」などという場合の「つと」は、これの名詞形で、藁で包んだ物を意味している
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部2「「やさしさ」の両面」の節「「瘦す」「やさし」」、ダンプ頁177
阪倉はつつむ・つつしむの共通語基つつに、内に籠める意の中心を認める。
阪倉篤義 2011 提唱
共に語基「つつ」に中心の意味がある。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部2「「やさしさ」の両面」の節「「瘦す」「やさし」」、ダンプ頁176–177
編纂案は*tutu-si-m-から、つつしむに至る系列を想定する。
阪倉篤義 2011 支持
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 支持(別の説を支持します)
- 箇所
- ダンプ頁176–177、つつしむへの言及
編纂案は、語基*tutuに体言を作る接尾辞*-aを添え、*tutu-a(連続表示*tutua)を立てる。
阪倉篤義 2011 支持
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 支持(別の説を支持します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「情態言」「情態言の単独用法」、ダンプ頁105–110
編集部は、動詞uk-と情態言うかに共通するuk-を、単語家族の語根として置く。
阪倉篤義 2011 支持
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 支持(別の説を支持します)
- 箇所
- 第一部3「他の語との関係の探究」・「語基の設定」、ダンプ頁100–103
編集上の分解では、語基うかを語根*uk-に-aが付いた*uk-aとして分析する。
阪倉篤義 2011 支持
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 支持(別の説を支持します)
- 箇所
- 第一部3「他の語との関係の探究」・「語基の設定」、ダンプ頁100–103
阪倉は、語基うかを動詞「浮く」に関連する語とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
「あさ」は「浅す・褪す(浅くなる)」と、「うか」は「浮く」と、「たま」は「溜む」と、「こも」は「籠む」と、「ひや」は「冷ゆ」と、「こが」は「焦ぐ(こげる)」と、
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「他の語との関係の探究」、ダンプ頁100
阪倉はうっかりの語基うかが畳語形を構成するとみなし、うかうかをその例に挙げる。
阪倉篤義 2011 提唱
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」、「擬態語的語基」(ダンプ頁83・85–86)・「―ら」の形(89)・「「あっさり」「やっぱり」」(91)
阪倉は情態言ウカに接尾語ルが付いてウカルを作ると分析する。
阪倉篤義 2011 提唱
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「情態言」、ダンプ頁104
阪倉は、うっかりを、うかうかしているさまを言う語とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
うかうかしているさまが「うっかり」であり、めきめきと進むさまを「めっきり」腕が上がったなどと言う。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「「あっさり」「やっぱり」」、ダンプ頁91
阪倉はウヘを元来シタに対して「表面」の意味の語とする。
阪倉篤義 2011 記述
ウヘは、元来シタに対して「表面」の意味である。漢字「上」には、表面の意味もある
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」の節「七 カミ(神)とカミ(上)」、ダンプ頁449
かなしの「悲しい」義は、うらがなしの切断により生じた二次的な義であり、本来の義は「愛しい」である。
阪倉篤義 2011 記述
要するに、「かなし」という情緒は、求めるものが今ここに欠如して、無いことから生じる、空虚・孤独の思いを言うものであった。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第二部5「悲哀と愛情」の節「無常孤独の思い」、ダンプ頁266
阪倉は、as-aに対するus-u(薄)およびös-ö(にぶいこと、愚鈍なこと)の関係も同様の母音交替とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
相似たことは、先に問題にした、as-aに対するus-u(薄)の関係(色の薄いことを、「色が浅い」とも言う)、さらにはös-ö(にぶいこと、愚鈍なこと。バカなことを、「うすい」という方言が近畿にある)との関係、においても考えられそうである。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「「春」と「開く」」、ダンプ頁123
阪倉は、うつつを、顕現するさまを意味する語基うつから形成された語とみる。
阪倉篤義 2011 提唱
頻りであるさまを意味する語基「うた」から「うたた」が形成されたり、顕現するさまを意味する「うつ」から「うつつ」が形成されたりする
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「「しほ」と「しをる」」、ダンプ頁92
山。
阪倉篤義 2011 記述
「平地より隆起した地塊」
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「なぜ「ヤマ」か」、ダンプ頁012
投機的な仕事や、その対象。
阪倉篤義 2011 記述
投機的な仕事や、その対象
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「原義から転義へ」、ダンプ頁030
阪倉はやまで呼ばれるものを「平地より隆起した地塊」という一点で共通するものとする。
阪倉篤義 2011 記述
たとえば、「やま」という普通名詞で呼ばれるものは、その一つ一つが、位置・標高・土質・生育植物の種類などでは違っていても、とにかく、「平地より隆起した地塊」であるという一点で、共通していなければならない。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「なぜ「ヤマ」か」、ダンプ頁012
阪倉はヤマを「ヤという名で呼ばれるマ(地形)」の意でつけられた名と推定する。
阪倉篤義 2011 提唱
もしそうだとすれば、ヤマもまた、「ヤという名で呼ばれるマ(地形)」という意味でつけられた名ではなかったか、というような推定を下すことはできる
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「なぜ「ヤマ」か」、ダンプ頁014
阪倉は現代語のやまに七つの意味を認め、②以下の語源を①に置く。
阪倉篤義 2011 記述
のような種々の意味に用いられている場合、②以下の意味の「やま」の語源は①にあるわけだけれども、それを特に語源として問題にすることは、あまりない。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「原義から転義へ」、ダンプ頁030
阪倉は「試験にやまを張る」の投機の意を鉱石や石炭を採掘する場所の意に由来させる。
阪倉篤義 2011 記述
せいぜいが、「試験にやまを張る」などと言う場合の⑦の意味が、②に由来することを説明する程度で足りるであろう。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「原義から転義へ」、ダンプ頁030
阪倉はやさしを動詞やす(瘦す)から作られた形容詞とみる(yasu>yasa+si)。気兼ねで身の細る思いをする状態が原義で、『日本霊異記』下巻第三八縁の「恥かしきかな、やさしきかな」でははづかしと重ねて用いられる。
阪倉篤義 2011 提唱
これらと同様に、「やさし」という形容詞も、本来は、「やす」(瘦せる)という動詞との関係が考えられる語であったのである
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部2「「やさしさ」の両面」の節「瘦す」「やさし」、ダンプ頁174
阪倉はやさしを動詞やす(瘦す)から作られた形容詞とみる(yasu>yasa+si)。気兼ねで身の細る思いをする状態が原義で、『日本霊異記』下巻第三八縁の「恥かしきかな、やさしきかな」でははづかしと重ねて用いられる。
阪倉篤義 2011 提唱
そういう「やす」(瘦せる)べき状態にあることが、「やさし」で、つまり、相手や世間に対して、どうも気兼ねで身のちぢむ思いのするさまを言ったのである。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部2「「やさしさ」の両面」の節「瘦す」「やさし」、ダンプ頁175
阪倉はやさしを動詞やす(瘦す)から作られた形容詞とみる(yasu>yasa+si)。気兼ねで身の細る思いをする状態が原義で、『日本霊異記』下巻第三八縁の「恥かしきかな、やさしきかな」でははづかしと重ねて用いられる。
阪倉篤義 2011 伝聞
ヤサシを、「瘦す」との関連において考えることは、すでに『大言海』に見え、その後、大野晋『日本語の年輪』、原田芳起『平安時代文学語彙の研究』にも説かれている。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- 補注30、ダンプ頁383
阪倉はやさしの意義が、自省的な気兼ね(上代・『日本霊異記』)から、平安貴族社会での優美(源俊頼歌)、こまやかな心遣い(『大鏡』)、けなげさ(『平家物語』)、節度と教養(『日葡辞書』)へ広がり、無抵抗な素直さから「易し」義も派生したとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
こうなると、「やさし」という語は、もはや感覚的な優美さを言うようになっている。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部2「「やさしさ」の両面」の節「こまやかな心遣い=「やさし」」、ダンプ頁178
阪倉はやさしの意義が、自省的な気兼ね(上代・『日本霊異記』)から、平安貴族社会での優美(源俊頼歌)、こまやかな心遣い(『大鏡』)、けなげさ(『平家物語』)、節度と教養(『日葡辞書』)へ広がり、無抵抗な素直さから「易し」義も派生したとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
「やさしい人」というのは、教養ある人であり、文化人なのである。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部2「「やさしさ」の両面」の節「文化そのもの」、ダンプ頁184
阪倉はやさしの意義が、自省的な気兼ね(上代・『日本霊異記』)から、平安貴族社会での優美(源俊頼歌)、こまやかな心遣い(『大鏡』)、けなげさ(『平家物語』)、節度と教養(『日葡辞書』)へ広がり、無抵抗な素直さから「易し」義も派生したとみる。
阪倉篤義 2011 提唱
「やさし」という語自体に、この「易し」の意味を派生する面が、もとからあったようである。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部2「「やさしさ」の両面」の節「文化そのもの」、ダンプ頁186
阪倉は、情意活動を意味する動詞のア段語尾の形にしが接してシク活用の形容詞が作られる型(asamu>asama+si、isamu>isama+si)を立て、「その情意活動がなされるべき状態」を表すとする。作用動詞から作られるク活用の型(aku>aka+si、kuru>kura+si)と区別する。
阪倉篤義 2011 提唱
その動詞は、先の一類と違って、「厭ふ」とか「羨む」とか「腹立つ」とかいうような情意活動を意味するものが多い。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部2「「やさしさ」の両面」の節「情意を表わす形容詞」、ダンプ頁171
阪倉ははづかしを動詞はづ(恥じる)に関係づけ、相手や世間にひけめを感じるべき状態を言うとする。第三者について「はづかしき人」と言えば、こちらが気がひけるほど立派な人を意味する。
阪倉篤義 2011 記述
形容詞「はづかし」は、言うまでもなく、「はづ」(恥じる)という動詞と関係づけうる。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第二部2「「やさしさ」の両面」の節「瘦す」「やさし」、ダンプ頁176
阪倉はつつましを動詞つつむに結びつけ(tutumu>tutuma+si)、つつむは包むと同語で他を憚って内に籠めることを言うとする。語基つつはつつしむと共通し、名詞形つと(家づと)はその母音交替形とみる(tutu〜tuto)。
阪倉篤義 2011 提唱
この形容詞は、先に述べたのと同じ関係で、動詞「つつむ」に結びつけられる(tutumu>tutuma+si)。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部2「「やさしさ」の両面」の節「瘦す」「やさし」、ダンプ頁176
阪倉ははにかむの第一要素はを歯とみ、『新撰字鏡』でハニカムと訓む5字が歯の不正・不斉・重生を意味することから、本来は歯の不揃いな様子、転じて歯をむき出して威嚇する表情を言った語とする。にかむの意味は未詳とする。
阪倉篤義 2011 提唱
もともとハニカムのハは、「歯」で、ニカムの意味はよくわからないが、ハニカムというのは、歯の不揃いな様子を言った語らしい。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第二部2「「やさしさ」の両面」の節「「はにかみ」は警戒の姿勢」、ダンプ頁165
阪倉は襦袢の語源をポルトガル語gibãoとする。
阪倉篤義 2011 記述
ジュバンは、もとポルトガル語のgibãoで、肌着かジャケツのようなものを指す語であったらしい。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「カステラ」「バリカン」」、ダンプ頁21
捕らふには、とる+接尾語ふ(阪倉)、-e-による派生(ONCOJ)、取り+敢ふの複合(精選版日国語誌(4)、Martin)の3つの分析が並ぶ。
阪倉篤義 2011 提唱
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部2「語源の解釈と類推」の節「月にやるせぬわが想い」、ダンプ頁74
阪倉は捕らふ・掴まふを、とる・つかむに接尾語ふの接したものとして、とら・ふ、つかま・ふと分析する。
阪倉篤義 2011 提唱
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部2「語源の解釈と類推」の節「月にやるせぬわが想い」、ダンプ頁74
阪倉は捕らふ・掴まふを、とる・つかむに接尾語ふの接した形と切ります。
阪倉篤義 2011 提唱
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部2、ダンプ頁74
取る/捉える
阪倉篤義 2011 提唱
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部2、ダンプ頁74
掴む/掴まえる
阪倉篤義 2011 提唱
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部2、ダンプ頁74
露出形は被覆形に要素iが付いた形で、語末の乙類のイ・エは被覆形の語末母音とiとの融合による。
阪倉篤義 2011 提唱
kamu+i>kamïのようにして成立したのが、問題のカミという語であると考えられる
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 増補「語源――「神」の語源を中心に」六「カミの成立」、ダンプ頁445
阪倉は、とらまふ(とらまえる)をとらふ・つかまふの混交例として挙げています。
阪倉篤義 2011 提唱
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部2「語源のからくり」、ダンプ頁74–75
阪倉は類推による語形成の中で「とらまふ」を説明し、意味の近さが混交を促すと考えています。
阪倉篤義 2011 伝聞
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- 第一部2、ダンプ頁74–75
茶釜の系列について、出典はチャガマ → チャマガを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「文福ちゃまが」・「語音転倒の条件」
巣籠の系列について、出典はスゴモリ → スモゴリを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「文福ちゃまが」・「語音転倒の条件」
晦の系列について、出典はツゴモリ → ツモゴリを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「文福ちゃまが」・「語音転倒の条件」
鶫の系列について、出典はツグミ → ツムギを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「文福ちゃまが」・「語音転倒の条件」
卵の系列について、出典はタマゴ → タガモを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「文福ちゃまが」・「語音転倒の条件」
蓬の系列について、出典はヨモギ → ヨゴミを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「文福ちゃまが」・「語音転倒の条件」
丸髷の系列について、出典はマルマゲ → マルガメを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「文福ちゃまが」・「語音転倒の条件」
駒込の系列について、出典はコマゴメ → コガモメを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「文福ちゃまが」・「語音転倒の条件」
体の系列について、出典はカラダ → カダラを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「文福ちゃまが」・「語音転倒の条件」
戸棚の系列について、出典はトダナ → トナダを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「文福ちゃまが」・「語音転倒の条件」
腹鼓の系列について、出典はハラツヅミ → ハラヅツミを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「文福ちゃまが」・「語音転倒の条件」
新しの系列について、出典はアラタシ → アタラシを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 注*13(新村出・金田一京助・『国語学辞典』の挙例)
釣瓶の系列について、出典はツルベ 〜 ツブレを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「ツルベかツブレか」、注*13–15
荒ぶ・暴るの系列について、出典はアラブル → アバルルを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 注*13(新村出・金田一京助・『国語学辞典』の挙例)
手弱女の系列について、出典はタヤワメ → タワヤメ/タヨワメ → タヲヤメを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 注*13(新村出・金田一京助・『国語学辞典』の挙例)
拘らふ・関はるの系列について、出典はカカラフ → カカハルを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 注*13(新村出・金田一京助・『国語学辞典』の挙例)
山茶花の系列について、出典はサンザクワ → サザンクワを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 注*13(新村出・金田一京助・『国語学辞典』の挙例)
仙人掌の系列について、出典はサンボテ(イ) → サボテンを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 注*13(新村出・金田一京助・『国語学辞典』の挙例)
俎板の系列について、出典はマナイタ → ナマイタを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「合理的関係づけ」、注*13
寝転ぶの系列について、出典はネコロブ → ネロコブを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 注*13(新村出・金田一京助・『国語学辞典』の挙例)
鶏冠の系列について、出典はトサカ → トカサを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「合理的関係づけ」、注*13
木履の系列について、出典はボクリ → コップリを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 注*13(新村出・金田一京助・『国語学辞典』の挙例)
多いの系列について、出典はオーイ → オイーを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 注*13(新村出・金田一京助・『国語学辞典』の挙例)
いらっしたの系列について、出典はイラッシタ → イラシッタを記載しています。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 注*13(新村出・金田一京助・『国語学辞典』の挙例)
阪倉の主要な挙例ではgとmの交換が目立ち、dとr・n・tの関係も挙がります。濁音が関わる理由は不明とされ、例の成立条件を一般化できるかも未決です。母音が異なるタマゴ→タガモやツグミ→ツムギは、仮名一字ずつの交換では表せません。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「語音転倒の条件」
阪倉はツルベ・ツブレの方向を柳田の説と対照し、トサカ・トカサ、マナイタ・ナマイタに意味的な再解釈の関与を考えます。新しの交替では、惜しむ意味のアタラシとの接触とアクセントの継続を論じます。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「ツルベかツブレか」・「合理的関係づけ」
濁音と鼻音の偏り
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「語音転倒の条件」
変化方向と意味の介入
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部2「ツルベかツブレか」
阪倉と精選版日本国語大辞典は、akatukiをakatokiから変化した形とする。
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「情態言」、ダンプ頁106
MVRは何を説明するか
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「情態言」、ダンプ頁106
年代と資料:一度の出来事として扱えるか
阪倉篤義 2011 記述
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「情態言」、ダンプ頁106