群ら咲き説
主張2件
草のむらさきを、群がるさまを表わす語基ムラと動詞サクの複合とみる。 第一部1では唱道者不明の説として保留付きで伝え、第一部3では語基の分析の一例に置く。
草のむらさきを「群ら咲き」すなわち花が群れて咲くことによる名とする説明を、阪倉は正否を保留して伝える。
唱道者は本文に示されず、阪倉は「果たしてこれが正しいかどうかはわからないが」と付す。 精選版日国の語誌はこの語構成に触れず、語源の説明を持たない。 ムラサキ科の花が群れて咲くという記述は日国の語義①にも「包葉の間に先の五裂した 白い小さな漏斗状花が咲く」とあるが、群生を語源に結び付ける記述は無い。
阪倉篤義 2011 伝聞
その点は、この草は花が群れて咲くから「群ら咲き」と言ったのだ、という説明が行なわれている。果たしてこれが正しいかどうかはわからないが
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- 第一部1「名づけの由来」の節「「むらさき」の語源」、ダンプ頁027
阪倉はムラサキのムラを動詞ムル(群る)に対比される語基とし、これが動詞「咲ク」と複合したものとみる。
第一部3の情態言の節で、語基が動詞と対比される型の一例としてこの語を挙げる。 第一部1では唱道者不明の説として保留を付して伝えた同じ語構成を、 ここでは自らの語基の分析の枠に組み入れる。二箇所の立場の差は本文が説明しない。 名詞muraと動詞mure-の関係はONCOJが別語彙素として立てる(l004060・l031741a)。
阪倉篤義 2011 提唱
前に述べたムラサキ(紫)のムラも、動詞ムル(群る)と対比して考えられるように、やはりこの種の語基で、これは動詞「咲ク」と複合している。
- 文献
- 増補 日本語の語源 書籍/平凡社ライブラリー729
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 第一部3「語源の考え方」の節「情態言」、ダンプ頁105