語源項目

*sut-

編纂案 上代日本語 語根

語根*sut-(すたる【廃】・すてる【捨】)

資料横断で引く すつすてるすたる
関係する語を引く す

単語家族と見出しの単位 4件

*sut-「捨・廃」 編集

ONCOJと日本語版Wiktionaryの記述からは、すたる・すてるの同根関係を確認できない。

*sut- 説内
言語
上代日本語
種別
語源形
品詞
語根

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すつ 棄 文証
言語
上代日本語
種別
語
品詞
動詞(下二段)

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National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
sute / verb / discard
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l030944a
すてる 捨 文証
言語
日本語
種別
語
品詞
動詞

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すたる 廃 文証
言語
日本語
種別
語
品詞
動詞

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語形0件

語形情報はありません。

語形の状態 文証 再建 編集 説内
主張の等級 定説 通説 提案 推測 疑義

語義0件

語義情報はありません。

諸説 2説/主張9件

上代日本語派生説

主張1件

日本語版Wiktionaryは、すたるを上代日本語からの派生とする。派生元の語形と出典は示されない。

派生 推測

すたるは上代日本語から派生した。

日本語版Wiktionaryの語源節は{{etyl|ojp|ja}}テンプレートだけで構成され、説明・例文・出典がない。 派生元の上代語形も示されない。

日本語版ウィクショナリー編集者 2024-12-01 提唱
{{etyl|ojp|ja}}「[[#{{ojp}}|すたる]]」
文献
日本語版ウィクショナリー ページダンプ 2024-12-01 データセット/Wikimedia Downloads
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
項目「すたる」の語源節、revision 1619915(2021-10-24)

す詞根派生説

主張1件

すつ・すたる・すてるを共通の詞根すからの派生とみる。郭永剛の認知言語学的分析で、歴史的再建ではない。

再建 推測

すつ・すたる・すてるは、共通の詞根すから派生した。

郭永剛の認知言語学的分析。各仮名を意味を持つ原始詞根とみる前提に立ち、歴史的再建ではない。

食い違う主張 ONCOJのsuteから派生要素-e-を除くと、語基*sut-が得られる。

語根の切り出しが食い違う。c-sute-baseはONCOJの派生記述に従って造形要素-e-を除き、 子音で終わる語基*sut-を立てる。この主張は単音節のすを詞根とし、-t-以下を派生の側に置く。 語根をどこまで短く取るか、語幹の拡張要素を語根に含めるか接尾辞とみるかで結論が分かれる。

引用なし

その他の主張7件

切れ目 定説

ONCOJの語彙素l030944a(sute)は、造形要素-e-(f000052)への派生の参照を持つ。

語彙素l030944aの派生を記すre要素がf000052を参照し、参照箇所に-e-とある。

National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
<orth>sute</orth> … <ref target="f000052">-e-</ref>
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
lexicon.xml語彙素l030944aのre要素とf000052の項
再建 提案

ONCOJのsuteから派生要素-e-を除くと、語基*sut-が得られる。

*sut-はONCOJの派生関係に基づく分析である。ONCOJはsut-を独立した形として記さない。

National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 支持
<orth>sute</orth> … <ref target="f000052">-e-</ref>
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
支持(別の説を支持します)
箇所
lexicon.xml語彙素l030944aのre要素とf000052の項
用例の同定 定説

仏足石歌の2例と万葉集の3例、計5例がすつ(sute)の例である。

ONCOJが5例を語彙素l030944a(sute、"discard")に立てる。吉村誠校訂本文の仮名も万葉集の該当箇所を「すてる」「すつ」と読む。

National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 記述
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
語彙素l030944aおよびBS.19・MYS.5.900・MYS.11.2531・MYS.19.4211のXML
吉村誠 2019 記述
文献
万葉集テキストデータ データセット
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
巻五・九〇〇、巻十一・二五三一、巻十九・四二一一
語形交替 通説

橋本進吉・亀井孝・マーティンはutuとsutuをsの有無で対応する形として扱う。

両形はONCOJで同じ「捨てる」の語義を持ち、複数の記述系列が同じ組を挙げる。変化の方向はこの主張に含めない。

板橋義三 2001 伝聞
文献
古代日本語とオーストロネシア諸言語における一形態の同源性(1) 論文/比較社会文化
立場
伝聞(他の説として伝えます)
箇所
p.67(橋本1973:143–145の紹介)
Kamei, Takashi 1953-04 記述
sutu : utu
文献
Are Japanese turu and ito related to Korean turumi and sil respectively? 論文/The Annals of the Hitotsubashi Academy
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
p.233注22
亀井孝 1954-03-31 記述
文献
「ツル」と「イト」―日本語の系統の問題を考へる上の参考として― 論文/国語学
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
p.11
Martin, Samuel Elmo 1987 記述
文献
The Japanese Language through Time 書籍
立場
記述(そう書いてあります)
箇所
第1章§31(pp.35–36)
National Institute for Japanese Language and Linguistics 2021 支持
文献
Oxford-NINJAL Corpus of Old Japanese データセット
立場
支持(別の説を支持します)
箇所
lexicon.xml語彙素l030268a・l030944a
音韻変化 提案

亀井はsutuを古い形とする可能性を示し、utuを語頭sの脱落で説明する。

著者自身が可能性として提示する歴史分析である。琉球諸語の対応形と各用例の年代による検証を要する。

Kamei, Takashi 1953-04 提唱
文献
Are Japanese turu and ito related to Korean turumi and sil respectively? 論文/The Annals of the Hitotsubashi Academy
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
p.233注22
亀井孝 1954-03-31 提唱
文献
「ツル」と「イト」―日本語の系統の問題を考へる上の参考として― 論文/国語学
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
p.11
音韻変化 提案

竹生・西はsutuを原形とし、utuを語頭sの脱落で説明する。

著者自身の推定である。那覇・今帰仁・奄美・徳之島・沖永良部・与論のs語頭形を挙げる一方、 各地点の規則的な音対応と祖語再建は同論文の範囲外である。

竹生政資 2009 提唱
文献
万葉集2005番歌の「然叙手而在」の解釈について 論文/佐賀大学文化教育学部研究論文集
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
pp.111-112
再建 提案

マーティンはsuteru < sute[y]- < *suta-Ci-を掲げ、疑問符つきで*zuta-Ci-まで遡らせる。同じ*zuta-の想定で[uteru](棄つ)の*uta-Ci-と結び、useru・sutaruを参照先に挙げる。

内的再構による。*zuta-の段階は著者自身が疑問符を付す。

Martin, Samuel Elmo 1987 提唱
suteru < sute[y]- < *suta-Ci- ?< *zuta-Ci- (cf. [uteru], useru, sutaru). 'discard, abandon, throw away'.
文献
The Japanese Language through Time 書籍
立場
提唱(その出典が言い出します)
箇所
p. 760(棄つの*uta-Ci- ?< *zuta-Ci-はp. 780)

関連する単位1件

*す 説内

郭永剛が意味を持つ原始詞根とみなす要素。

歴史的再建の定説ではない。原書本文と頁は未確認。

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用例5件

伊止比須都閇志
資料
oncoj-2021
箇所
仏足石歌19(ONCOJテキストBS.19、lb4)
表記
伊止比須都閇志
転写
itopi sutu be si
注
仏足石歌の訓読本文は未確認。引用は万葉仮名の原文。
波奈礼須都倍志
資料
oncoj-2021
箇所
仏足石歌19(ONCOJテキストBS.19、lb5)
表記
波奈礼須都倍志
転写
panare sutu be si
注
同じ歌の隣接句。訓読本文は未確認。引用は万葉仮名の原文。

引用本文は収録していません。原典で確認できます。

資料
oncoj-2021・manyoshu-yoshimura-text
箇所
巻五・九〇〇(山上憶良、反歌)
表記
久多志須都良牟
転写
kutasi sutu ramu
注
短歌。題詞は「老身重病経年辛苦及思児等歌七首〔長一首短六首〕反歌」、事項欄に作者山上憶良と天平五年六月三日の年紀がある。

引用本文は収録していません。原典で確認できます。

資料
oncoj-2021・manyoshu-yoshimura-text
箇所
巻十一・二五三一
表記
命者棄
転写
inoti pa sute tu
注
短歌。表記命者棄は訓字書きで、棄がsuteを表す。

引用本文は収録していません。原典で確認できます。

資料
oncoj-2021・manyoshu-yoshimura-text
箇所
巻十九・四二一一(処女の墓を吊う歌、長歌)
表記
壽毛須底弖
転写
inoti mo sutete
注
長歌の一節。題詞は「追同処女墓歌一首〔并短歌〕」、事項欄に天平勝宝二年五月六日の年紀と作者大伴家持がある。

書誌 4件/ページ192

採録元: 語彙研究文献語別目録

目録はすてるに見出しを立てて研究文献4件を挙げ、すたるに見出しを立てない。ページ192にはすてき・すてきち・すてぜりふ・すでに・すてるの見出しが並ぶ。

見出し著者文献名書誌注
すてる
捨
国立国語研究所『日本言語地図2』昭42・3
すてる
捨
柴田武『言語地理学の方法』昭44・8筑摩書房
すてる
捨
森田良行『基礎日本語1』昭52・10角川書店
すてる
捨
木部暢子「言語地図の一解釈―〈捨てる〉の九州方言」『文献探求』8昭56・6

外部データベース2件

語誌情報ポータル(語誌データベース) 国立国語研究所

語彙素「捨てる」の項は語誌DBの見出し索引(2026-08-20取得)にあり、実在する。項目本文の内容は未確認。URLは語誌DBの照会形式に語彙素・読み・品詞を当てはめたもの。

https://goshidb.ninjal.ac.jp/goshidb/word.php?goiso=捨てる&reading=ステル&hinshi=動詞-一般

語誌情報ポータル(語誌データベース) 国立国語研究所

語彙素「廃る」の項は語誌DBの見出し索引(2026-08-20取得)にあり、実在する。項目本文の内容は未確認。URLは語誌DBの照会形式に語彙素・読み・品詞を当てはめたもの。

https://goshidb.ninjal.ac.jp/goshidb/word.php?goiso=廃る&reading=スタル&hinshi=動詞-一般