研究 日本神話の注釈中でineがsineとして現れると記し、kuma-sine・uru-sineを例示する。 さらにsineからseへの縮約案を示し、wa-seを並行例に置く。一般的なs脱落やs添加の音法則は提案していない。
Pfizmaier, August 1867 記述
- 文献
- Zu der Sage von Fo-wo-de-mi-no mikoto 論文/Sitzungsberichte der philosophisch-historischen Classe der Kaiserlichen Akademie der Wissenschaften
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- p.126
研究 注22で-sine/ine、-same/ame、suuru/uuru、sutu/utu、-siha/iha、se/jeの六組を列挙し、 古いsが消失した可能性を示す。この推定は可能性として提示され、六組だけで規則的な変化を立証していない。
研究 p.11でine/sine、ame/same、uu/suu、utu/sutu、e/seの五組を列挙する。sを持つ形を古い形とし、 母音語頭形をs脱落の結果と説明する。s添加説はこの箇所で退けられる。
研究 亀井のs脱落説には立証が足りないと評し、ame/sameとe/seを同列に扱えるかを問う。 e「兄」の上代音がyeである点を具体的な反証に挙げる。
研究 サ行についてaku/saku、ahani/sahani、asu/sasu、代名詞i/si、助詞i/si、i/si「息」、inu/sinu、 uu/suu、utu/sutu、udi/sudiの10組を検討する。amane-si/samane-siにはsa-接頭辞と母音脱落を選ぶ。 形の対応を確認した後、先行するs語頭形から母音語頭形が生じたという史的方向を提案する。 sameとameの共存には、複合語後項と独立語の機能分担が関わったと考える。e/seは上代音yeを理由に外す。
研究 paru+s+ame>parusameを子音挿入として示し、山口1974が14例を収集したと報告する。 山口の各例には競合分析があることも記す。
Urakami, Junnosuke 1989-08 伝聞
研究 複合境界の母音連続を処理する型の一つにfaru+ame>farusameのs挿入を置く。 論文の中心は形容詞化接尾辞ziの起源である。
研究 山口1985をharu+ame>harusame型のs挿入例を収集した研究として紹介し、発音部位との相関を 形態音韻論の問題に位置づける。
江口泰生 2003-03-31 伝聞
- 文献
- 形態音韻論の射程 論文/岡大国文論稿31
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- p.238(通し頁27)
研究 子音挿入の例を春雨・小雨・氷雨に限られるものとして紹介し、例数の少なさからsameを古形とする説も記す。
研究 中期日本語の名詞複合でame/-sameとine/-sineを後項異形として挙げ、原因を未解決とする。 Martinの付加音素*zも紹介し、この異形が複合語の音調に影響した明瞭な兆候は見えないと述べる。
academic-web harusameの子音挿入とnagekiの母音融合をプロミネンス衝突回避で説明する。 2025年刊書の該当頁は未確認で、著者自身の紹介記事から適用範囲を確認した。
研究 parusameを日琉祖語*parus-amaiから導き、sを前項paruの祖語末子音に帰属させる。 動詞複合などにも語末*sの反映を求めるため、雨複合だけに閉じない検証が可能になる。
辞典 sameを複合語後項の造語要素として立て、s挿入説、same古形説、平安時代のhayasaame・harusaame・ kosaameを記す。saameとsameの先後には両方向の検討を載せる。
小学館 参照2026-09-05 記述
- 文献
- 雨(精選版 日本国語大辞典) 辞典/コトバンク
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 見出し「雨」補注
研究 板橋2001は橋本『助詞・助動詞の研究』pp.143–145を紹介し、e/se、ame/ko-same・mura-same、ine/sine、 uwe/suwe(据える・植える)、utu/sutuの六組を「サ行子音の脱落」の例として並べる。国立国会図書館は 同書を1969年版として登録し、板橋の参考文献は1973年版を挙げる。当該頁は未照合であり、六組の形と 位置づけは板橋の報告として扱う。
研究 音韻添加の例としてharu-s-ame、ma-s-ao、nigi-s-ineを一列に示す。この分析は複合語後項に現れるsを 語形成の境界現象として扱う。独立語のutu/sutuやe/seへ直接適用した記述ではない。
玉村文郎 1985 記述
- 文献
- 語彙の研究と教育(下) 書籍/日本語教育指導参考書13
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- p.16
研究 第1章§31「Alternation of s- with zero」でame/-same、ara-/sara-、ine/-sine、awo/-sawo、ut-/sut-、 sin-/in-、uwe/suwe、mane-si/samane-si、琉球諸語のiba-/siba-などを広く検討し、語頭子音の散発的な消失、 sa-接頭辞、複合内の形態境界、古い属格要素など複数の説明可能性を併記する。対照例として、 katasipaをkata-siとipaの縮約で説明し、akare-/sakar-を別の語幹とし、(-)swo/wo「麻」には sa-woの圧縮やasa-woの語頭消失という複数の案を添える。
研究 橋本の記述を指示語*i/*siの議論に接続し、指示語*iから*siを作るs添加説を述べる。この添加説の直接の 対象は指示語系列であり、六組全体へ同じ方向を与えた記述として引用しない。オーストロネシア諸語との 同源性に関する広域比較は、六組の存在確認と別の主張として評価する。
研究 古代日本語の属格形式として結合部-s-を立て、haru-s-ame・ko-s-ame・mura-s-ame・hi-s-ame、 taba-s-ine・uru-s-ine・mi-s-ine・nigi-s-ine・ara-s-ine、ma-ss-aoを一列に置く。属格形式どうしの 使い分けは未解明とする。この分析では複合中のsが語根の一部から独立した形態要素になる。
研究 万葉集15・3761の「須恵之多祢可良」suwe si tane karaを取り上げ、suwe「据える」からuwe「植える」への 意味変化と語頭s脱落を提案する。本文のsuweとtaneの共起はONCOJでも確認できる。語源方向は崎山の仮説である。
研究 万葉集897・800の訓釈を論じる中でsutuとutuを比較し、琉球諸語のs語頭形を根拠に sutuからutuへの語頭s脱落を提案する。万葉集5・800のnuki-turuには、nuki-utu-ruと nuki-sutu-ruの二つの縮約前形を候補として示す。
研究 VovinとUngerによる稲の*zinaCiを報告し、日琉祖語*jinaCと複合境界後のglide strengtheningを提案する。 語頭sの消失とsの添加に加わる第三の分析である。Unger 1977は稲に*zinaCiを置き、語頭では*zが消失し、 複合内部では西部上代日本語の/s/として保たれたと分析したという。Blench 2005のTable 2.9も Vovin 1998 p.368に帰属する*(z)ina-Ci/*(h)ina-Ciを転載する。
研究 ameとineの語頭*z再建を検討し、韓国語比較から母音語頭の再建を支持する。parusameは*paru-siとameの 複合として分析され、sは前項の連体的要素*-siへ帰属する。nagameがsを持たない点も論拠に含まれる。
Francis-Ratte, Alexander Takenobu 2016 提唱
研究 Labrune・Irwin 2021は現代語のharu+ameからharu-sameへの形成を子音挿入として分類し、著者公開原稿の 注15はtana-sine(<ine)を後項語頭の不規則変化に含める。Huang 2023も実験刺激のharusameを haru+ameから子音挿入を伴って形成された複合語として扱う。どちらも現代の複合語形成を対象とし、 上代の変化方向を単独で定めない。
Labrune, Laurence 2021 記述
- 文献
- Japanese apophonic compounds 論文/Journal of Japanese Linguistics
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 著者稿p.21
Huang, Chuyu 2023 記述
研究 Francis-Rattéの批判を受け、ame、ipa、ine、mane-siに語頭*zを置く証拠が得られないとする。一方で parusame、katasipa、urusine、(s)amane-siのsの起源を未解決と評価し、これをvariable/intrusive OJ s および「harusame problem」と呼ぶ。
Unger, J. Marshall 2026-03-20 記述
corpus ONCOJ2021年版でame(雨・天)は226例、複合語後項のsameは29例、ineは4例、uteは4例、suteは5例、 uweは47例、suweは23例、seは58例を数える。sineとe「兄」に対応する語彙素は確認できない。 個々の数は語源関係を証明せず、語形と分布を切り分ける基礎資料として用いる。
辞典 デジタル大辞泉はsineをineと同義の見出しに立て、主に複合語後項に現れる分布を示す。コトバンクの 荒稲項も複合内のsineをineの形として説明し、別の百科事典項はsineを古い語形と呼ぶ。 「複合語後項形」と「古い形」は異なる問いに答える用語であり、どちらも変化方向を単独では確定しない。
小学館『デジタル大辞泉』編集部 取得2026-08-24 記述
- 文献
- しね(稲) ウェブ資料/goo辞書 デジタル大辞泉
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 箇所の指定なし
荒稲 取得2026-08-24 記述
- 文献
- 荒稲 ウェブ資料/コトバンク
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 箇所の指定なし
いね 取得2026-08-24 記述
- 文献
- いね ウェブ資料/コトバンク 日本大百科全書ほか
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 箇所の指定なし
辞典 漢字ペディアとコトバンクの兄項はeとseの使用条件を分ける。eは年長の同胞、seは女性側から男性親族・ 夫・恋人を指す用法を含む。橋本・亀井の表が両方を「兄」と要約する場合も、語義の重なりは部分的である。
日本漢字能力検定協会 取得2026-08-24 記述
- 文献
- 兄(え) ウェブ資料/漢字ペディア
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 箇所の指定なし
兄 取得2026-08-24 記述
- 文献
- 兄 ウェブ資料/コトバンク デジタル大辞泉ほか
- 立場
- 記述(そう書いてあります)
- 箇所
- 箇所の指定なし
ウェブ辞典 順列和語辞典のe項・sine項・same項は日本国語大辞典の記述を転記したと称する。same項はs挿入説、 same古形説、sa-ame型を掲げる。転載元の本文と校訂本文を確認できていないため、初出・用例の根拠には用いない。
え【兄】 取得2026-08-24 伝聞
- 文献
- え【兄】 ウェブ資料/順列和語辞典(転載型ウェブページ)
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
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- 箇所の指定なし
しね【稲】 取得2026-08-24 伝聞
- 文献
- しね【稲】 ウェブ資料/順列和語辞典(転載型ウェブページ)
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- 箇所の指定なし
さめ(小雨) 取得2026-08-24 伝聞
- 文献
- さめ(小雨) ウェブ資料/順列和語辞典(転載型ウェブページ)
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- 箇所の指定なし
web-transcription 亀井1954のp.11を転記し、sine・sameが主に複合語後項へ偏り、suu・sutuが独立用法を持つという分布差を 指摘する。転記は国立国語研究所の公開全文と一致する。
niji wo mita 2013-12-14 伝聞
- 文献
- 「稲(いね)」を「しね」と読むこと ブログ記事/niji wo mita
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- 箇所の指定なし
ウェブ上の仮説 『時代別国語大辞典:上代編』のsine・same項とharusame記述を転記し、子音挿入説を検討したうえで 声門化を含む独自説を述べる。辞書の記述とページ作者の仮説を分離し、転記範囲には検証待ちを付す。
鷺坂健一 1999-07-16更新; 取得2026-08-24 提唱
- 文献
- 古代日本語のどんなところに喉頭化母音がみられたのか ウェブ資料/paline
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 箇所の指定なし
鷺坂健一 2008-02-02更新; 取得2026-08-24 提唱
- 文献
- サ行イ音便の問題 ウェブ資料/paline
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 箇所の指定なし
ウェブ上の比較 harusame・saame・misasaをめぐる辞書記述と読者案を紹介する。読者案は探索候補に置く。
道浦俊彦 刊行日不明; 取得2026-08-24 伝聞
- 文献
- 春雨と秋雨 ウェブ資料/ことばの話421
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- 箇所の指定なし
ウェブ上の仮説 s脱落・s添加を広く論じる個人ブログがある。原典への導線と独自推測を区別して読む。
日本語の語頭s脱落をめぐる覚書 2016-06; 取得2026-08-24 提唱
- 文献
- 日本語の語頭s脱落をめぐる覚書 ブログ記事/おまつじゃの雑記
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
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- 箇所の指定なし
上代日本語のs添加をめぐる覚書 2022; 取得2026-08-24 提唱
- 文献
- 上代日本語のs添加をめぐる覚書 ブログ記事/ppnetwork
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
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ウェブ上の仮説 haru-s-ameとma-s-aoを母音衝突回避のbuffer consonantとして扱う記事がある。挿入説を疑問視し、 -same複合群と古形保持説を紹介する記事もある。
金谷武洋 1995-01執筆; 2005-09-01公開; 2017-10-01移転; 2019-08-26更新 提唱
- 文献
- 第2回「ラ抜き言葉」という名称は正しくない:ラ抜き議論はマ抜け ブログ記事/金谷武洋公式ブログ
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
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- 箇所の指定なし
音の増減、転倒をめぐる修辞用語 2011-10-09; 2015-10-08更新 伝聞
- 文献
- 音の増減、転倒をめぐる修辞用語 ブログ記事/marges de la linguistique
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
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- 箇所の指定なし
ウェブ上の仮説 harusameのsを介入子音と呼びフランス語のリエゾンと比較する記事、intrusive /s/と呼び擬音・ オーストロネシア比較による独自案を述べる記事がある。子音挿入説を残す検索索引もあるが、 取得時に本文URLが404を返したページは弱い探索資料に置く。
信州Kaz 2023-01-21 提唱
- 文献
- 介入子音, フランス語と日本語の類似性 ブログ記事/note
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 箇所の指定なし
Seth Coonrod 2023頃; 取得2026-08-24 提唱
- 文献
- Rain 雨 ウェブ資料/IMABI
- 立場
- 提唱(その出典が言い出します)
- 箇所
- 箇所の指定なし
大西佐七 刊行日不明; 取得2026-08-24 伝聞
- 文献
- 文法各論:頭音法則 ウェブ資料/大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- 箇所の指定なし
ウェブ上の仮説 awo/sawo、ame/same、wo/so、ine/sine、ye/seを「Japanese S-mobile」の候補として問う投稿がある。 前日の週間スレッドにも同内容がある。比較関係は投稿者の探索案である。
ウェブ上の仮説 Francis-Rattéの分析を紹介し、投稿者自身の外部比較案を加える投稿がある。別のコメントは平安時代の saame形をsa-接頭辞の証拠と読み、雨複合に語頭*zや前項末*-siを置かない分析を提案する。 いずれも未査読の議論として扱う。
web-description 日本語教師試験向け教材、学習者向け記事、個人コラムではharusameやkosameが音韻添加の例として広く流通する。 三浦2023は母音連続回避を明示し、例数が少ないことにも触れる。各記事には史的方向を確定する資料がない。
ウェブ上の仮説 tana-sineをame/same型と比較するブログ、母音連続回避によるs挿入を提案するウェブ論考がある。 両方とも独自分析として帰属させる。
ウェブ上の仮説 ine/sine・ame/sameから広いs脱落対応を立てる推論を批判するページがある。批判対象の説とページ作者の 評価を分離する。
日本語タミル語起源説批判1 2004-05-23初稿; 2004-08-01追記 disputes
- 文献
- 日本語タミル語起源説批判1 ウェブ資料/起源論もろもろ
- 立場
- disputes(立場の定義なし)
- 箇所
- 箇所の指定なし
ウェブ辞典 琉球諸語の稲語形、中央日本語ine・ina・-shine、複数研究者の再建を集約する。個別の再建は元文献で照合する。
Zachary Read 2025-09-14 伝聞
- 文献
- ンニ・稲・Rice plant ウェブ資料/JLect
- 立場
- 伝聞(他の説として伝えます)
- 箇所
- 箇所の指定なし
web-transcription 鶴見俊輔『思い出袋』所収「悲しい結末」としてame/same、ine/sine、utu/sutu、uu/suuの列挙を転載する ページがある。原著本文は未確認である。
書誌手掛かり Itô・Mester 1989は関連候補として照合した。取得PDFから当該現象の記述を確認できず、主張の根拠に用いない。